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それから、浴衣を着ているせいでゆっくりしか歩けない私のペースに合わせて歩いてくれて、やっとこさ神社へ到着した。
「やっば、人多すぎだろ」
「毎年こうだけどね〜」
神社はすでに、カップルやら子供やらで賑わっていて、それを見てうひょ〜と声をあげた。
「じゃ、いくか」
出店の並ぶ道を指差し、私の方を振り向く彼に“うん”と頷くと
「ん、」
左手を私に差し出し、少し照れくさそうにしている宏光くん。
「はぐれてからじゃ遅いだろ」
“ほら”って私の右手をとってギュッと繋がれた。
「…これなら安心だね」
なんだか恥ずかしくて、小さくいった私の言葉に“だろ?”って白い歯を見せて笑った。
「何食いたい〜?」
“せーので言おうぜ”って言う宏光くんに合わせて、いっせーのせでこたえることに。
「せーの…」
「いちご飴!」「やきそば!」
「…見事にばらばらやん」
系統も全く違う食べ物で、2人してケラケラと笑いあう。
「てか、いちご飴って腹たまんねーし」
「だからいいよって!やきそばで!」
歩き始めた宏光くんについて歩いていると、いちご飴はどうのこうのって、そんなことをぶつくさ言われて、両方買うって選択肢もあるんだけど、混んでるせいで買うのにも一苦労な訳で、私が折れた。
はずだったのに、立ち止まったところを見てビックリ仰天。
「…え、ここいちご飴だよ?」
「そうだけど?」
「いちご飴やじゃないの?」
「だってAちゃん食べたいんでしょ?」
「そうだけど…」
そんなこと言ってるうちに、列の最後尾に向かってずんずん歩いていく。
「Aちゃんが食べたいものなら俺だって食べたいよ」
「ありがとう…」
“何照れてんだよ”ってんははって笑われて、さらに恥ずかしくなって俯く私の手を“進むぞ”って引いた。
「じゃあさ、やきそばも買おう!」
「やきそばめっちゃ並ぶけどいいの?」
「私は全然大丈夫だよ?」
「ま、Aちゃんとなら並んでても楽しいし、そーするか!」
“なっ!”ってまんざらでもなさそうな笑顔で私を見てくるから、照れてんの私だけかーい!って心の中で突っ込んどいた。
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ぽん(プロフ) - りえさん» まだ44話以降を公開していないです…!ごめんなさい(;_;) (2019年2月10日 8時) (レス) id: 9bf54bbd8d (このIDを非表示/違反報告)
りえ(プロフ) - 44話以降通知が来ても更新されていないのですが私だけでしょうか(>_<)? (2019年2月10日 7時) (レス) id: 38bd84ff18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽん | 作成日時:2019年1月8日 0時