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Aside
善逸に続き炭治郎と伊之助、禰豆子ちゃんは無事であることが分かった。
それからは身体の回復を待ちつつ基礎訓練を行い時間を潰していた。酷い怪我をしたとは言え、怠けていたりすれば次の任務の時に全力を出せないといけないから。
……目的は達成したけれど。
私は鬼殺隊になった以上、それ以上に大切なものを守らなければいけない。
それは私たちのような犠牲者が出ないよう、鬼を滅す事。
誰にも理不尽で悲しい想いはさせたくないから。
時間が過ぎるのは早い事で、下弦の壱を討伐してから早一ヶ月が経とうとしていた。
骨折した肋の状態も治りつつあり、しのぶさんによればこのまま回復が進めば任務に復帰するのは早いだろうとの事だ。
縁側に座り、空を見上げていると突如誰かの手に視界を奪われた。
?「……俺は誰でしょう!」
A「…善逸でしょ?」
善「当たりッ!…そういえば怪我は治った?」
A「うん、八割くらいは治ってる。近いうちに任務に復帰できるよ。」
善「そっか、良かった!
…さっき屋敷の中を周ってたんだけど、アオイさんたちも居ないんだよな。『買い出しに行って来ます』って置き書きだけが残してあって。
だから俺寂しくて!」
A「炭治郎たちも居ないの?」
善「うん、あいつらは単独任務に行ってるみたいだよ。」
A「へぇ、そうなんだ…
じゃあ私たち…しばらく暇だね。」
立っていた善逸が私の隣へ座った。
…先生の稽古を受けてた時はまだ背丈もあまり変わらなかったのになぁ…。
自分より高くなった背丈と、重ねられた男の子らしい手に微かに胸が高鳴った。
ぼーっ、と覗き込んでいると、善逸は真剣な顔付きで私の方を見つめる。
善「そうなんだよな。……Aちゃん、ちょっと大事な話があってさ。……いつもみたいな話じゃないから、聞いてくれる?」
A「…うん。どうしたの?」
善「……俺さ、Aちゃんが好き。
ずっとずっと言えなかったけどね、今ならこうやって…面と向かって言える気がするよ。
爺ちゃんの修行受けてた時はさ、自分の気持ちに素直になれなくて伝えらんなかった。」
A「…本当に?」
善「うん、本当に好きなんだ。
…だから俺と恋仲になってほしいなぁ……って!」
A「も、もちろん…
こちらこそよろしくお願い、します…?」
善「なんでそんなに照れてんの!素直じゃないよねぇ、Aちゃんは」
A「だ、だって!いきなりすぎて…」
*
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匿名 - 最高です! (2020年10月27日 21時) (レス) id: d3b3bddaab (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - 面白かったです!あと続きが観たいです! (2020年5月1日 13時) (レス) id: 3f264ef7e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小鳥遊未來 | 作成日時:2019年12月12日 11時