夢躁少女は腕の中【魘夢】II (ページ28)

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番外編キメツ学園・続② ページ28

Aside

思考した末、私は覚悟を決めた。

魘「良いの？

…じゃあしてよぉ。」

A「恥ずかしいから目瞑ってて下さい」

魘「うん。」

ストーカーは私の指示で目を閉じた。

A「…そ、それじゃあいくよ…

…

……ッ、大人しく従うわけないじゃないですかァ！！さよなら！では！！！」

近付くふりをして私はその場から逃げ出した。
階段を駆け下り、靴を履き玄関のドアノブへ手を掛けたその時だった。

A「…ッ！？ちょ、何で…」

魘「ある程度予想していたんだ。
…俺を騙そうなんて良い度胸だなぁ。Aの新しい一面が見られて嬉しいよ、俺。

まぁ許しはしないけどねぇ。」

A「う、そもそもの話魘夢が悪ッ…」

魘「少し黙っててよ」

A「ッ……！！？」

A「…ッふ…(こいつ…)」

触れるだけのキスかと思ったら。
魘夢の舌が私の口内に侵入してきた。

思わず私は反動で体を小さく跳ねてしまう。

その反応が気に入ったのか、魘夢は腰に手を回すと口内を侵していた舌は更に激しさを増した。

A「ッ、……ふ、ぅ……！(苦しい、苦しい…！)」

抵抗とか以前に、もう息が続かない。
酸素が体から抜けていくのを感じる。

私は苦しいということを伝える為に必死で足掻いた。

魘「………うふふ、可愛い…」

A「…はぁ、はぁッ…… ぅ、はぁ…」

魘「涙で顔ぐちゃぐちゃだよ？だらしないなぁ」

A「だ、誰のせいだと思って、るんですか…」

必死に呼吸を整える。

…本当に調子が狂わされる。
ストーカーとはいえ、突発的にこんなことをしてくるなんて変な人だ。

それでも嫌ではないと思ってしまう自分もいた。

時計の針を確認する。

魘「あ、もう九時だねぇ。
一時間目が始まった頃かな？…もう今更行ったって遅刻だよ、もうサボッちゃいなよ」

A「ッ… は、はぁ、そうします…」

既に一時間目の時刻になっていた。
今日の一時間目は確か…美術だ。遅刻すると冨岡先生に加えて宇髄先生も怖いし、今日はもう学校に行かない事にした。

A「…私寝る」

魘「じゃあ俺も」

A「え？何で帰らないんですか？(そういえば朝も気付いたら居たなぁ…)」

魘「Aと一緒に居たいから。さらさら帰る気は無いよ。」

ストーカーと不法侵入してる癖に…
清々しい程に罪悪感は感じていない様子だ。

爽やかな笑顔で私にとっては辛辣な台詞を言う魘夢を止めることは不可能だと判断した。

＊