34.偏屈 ページ5
Aside
お「………今回は俺が悪いから。
…だからAには触れないでほしい」
チ「…で、何で家出なんてしたのさ?
母さんも父さんも…
もちろん僕たちも心配だったんだよ。
…正直に話してほしい」
お「分かった。」
A「……(きっと本当は言いたくないんだろうな…)」
隣で俯くおそ松さんの顔を確認すると、言葉では了解していても微かにへの字に歪んだ口元がそう感じさせた。
しばらくするとぽつり、と口を開く。
お「…イラついたから」
チ「イラついた…?
…あぁ、言い合いになった時?」
お「うん、そう。
本当は分かってんだよ。全部俺が悪いのに焦って不安になって、その矛先をお前に向けて、それを理由にAの家に逃げ込んだんだよ。
…軽蔑するよな?こんな情けない…
兄ちゃんなんて」
チ「……それは」
ト「…するよ。するけどでも…僕たちの
…だからいきなり連絡も無しに消えるなんて有り得ない。」
カ「そうだな。
代わりなんて居ないし、それにおそ松が思っているよりみんなおそ松の事が好きだと思うぞ?
父さんや母さん、俺たちはもちろん、Aちゃん含めて…な。」
お「ッ、そ、そっか…
はは、ちょっと俺焦りすぎてたみたいだわ。」
渇いた笑い。
先程までの張り詰めた空気感はなくなったのだが、私は内心晴れてはいなかった。
それは今話していた話題で今回の件は解決する訳じゃないから。
その原因に私が大きく関わっていて、おそ松さんや周りの人を傷付ける結果になってしまった。
…どうしても、上手く行かない。
A「…そうだよ。
おそ松はすごく愛されてると思う
暖かい家庭があって、素敵な両親や弟が居る…
だから私に頼る必要なんて無かった…と思う。
ほら、今回の件だって…
私が居なけ」
お「俺今日中に家戻る。
A本当にありがとな?俺の我儘に付き合ってくれて。……もうちょっとしたら戻るからお前ら先に家向かってて。」
チ「分かった。
…今度こそはちゃんと戻って来てよ?」
お「分かってるって。
じゃーな!」
ト「確か今日の夜、唐揚げだったと思うよ〜。
早く戻って来ないとおそ松兄さんの分、僕らで食べちゃうから」
十「あはは〜、玄関で正座して待ってる!」
一「俺も… おそ松兄さんが帰宅するのが遅ければ遅い程…俺たちの膝に負担が掛かるシステム……」
チ「何だよそれ…」
チョロ松さんたちは去って行った。
*
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作者名:小鳥遊未來 | 作成日時:2019年9月8日 13時