8 ページ9
フロイドside
キッチンを出てからというもの、ジェイドは一言も喋ることなく歩き続けている。
｢ジェイド｣
目の前を歩く背中に呼びかけるも、応答はない。
キッチンを出ていく際に掴まれた手首が、流石に痛んできた。
｢止まれって！｣
足に力を入れて踏みとどまり、手首を捻って振りほどく。
ジェイドはやっと立ち止まって俺の方を振り返った。
｢あのさぁ、何があったわけ？
…何でそんなに怒ってんだよ。
ジェイドのあんな顔久々に見んだけど。｣
そう言うと、ジェイドはにっこり笑い、思いもよらぬ事を言った。
｢フロイド、喜んで下さい。
僕達これからしばらくは退屈せずにすごせそうですよ。｣
｢は？｣
ジェイドの目がギラギラと光ってる。
まるで獲物を見つけた時の鮫みたいに。
厨房での、殺意に満ちた憤りの表情はすっかり影を潜めていた。
｢A…。
僕はあの人間が二度と生意気な口を叩けないようにして差し上げたいんです。｣
…A？
あぁ、あの厨房にいた小魚の名前か。
殺意を剥き出しにしたジェイドにも、全く怯むことなく、嬉々とした表情で俺達を見ていたのを思い出す。
…俺なんか、久々にあの顔を見たからけっこービビったのに。
ジェイドをここまでブチ切れさせることができるのだから、ただの小魚じゃないのは確かだ。
｢へぇ。おもしろそーじゃん。｣
｢ふふ。
あの人間が僕に跪く無様な姿が目に浮かぶようです。｣
｢そーいやさ、あの小魚ちゃんに何されたの？
めちゃくちゃ気になんだけど。｣
｢立ち話もなんですし、続きは部屋で話すことにします。｣
ジェイドはそう言うと、俺たちの部屋に向かって歩き出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 803人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ランカスター(プロフ) - レオンさん» コメントありがとうございます！！お気に召していただけたようで何よりでございます♪ ジェイドのみ副寮長、ご指摘の通りですね！見直してみて気づきました…。ガバガバで申し訳ないです 笑 コメント下さり本当にありがとうございます！ (2021年1月4日 10時) (
レス) id: d91d53123f (このIDを非表示/違反報告)
レオン(プロフ) - すごく内容好きです....!!!!!ｳｯ...！！オクタの副寮長はジェイドのみだと思います...！ (2021年1月3日 8時) (レス) id: 8a19b2b241 (このIDを非表示/違反報告)
ランカスター(プロフ) - mitoさん» コメントありがとうございます！！ジェイド最推しの方にお褒めいただいて嬉しいです♪書いてて自信が持てますし、とっても励みなります！どうぞ、最後までお付き合い下さいね！ (2021年1月2日 22時) (レス) id: d91d53123f (このIDを非表示/違反報告)
mito(プロフ) - 更新頑張ってください！ (2021年1月2日 21時) (レス) id: ebda06392e (このIDを非表示/違反報告)
mito(プロフ) - ジェイド先輩が最推しなので最高です！大好きです！愛してます！！更新あ (2021年1月2日 21時) (レス) id: ebda06392e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ランカスター | 作成日時：2020年12月16日 15時
