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Aside
部屋の時計が12時をさす。
約束の時間が訪れる。
私はベッドからおり、扉を開けて隙間から顔を出した。
人の気配はない。
私は足音を忍ばせ、廊下へ出る。
そして、ジェイドさんが待っているであろうモストロ・ラウンジへと向かう。
…少し緊張している。
夢にまで見た人魚が、目の前に現れるのだから。
モストロ・ラウンジに到着する。
店の照明は全部落とされていて、辺りはほの暗い。
しかし、水槽の中は明るく、青色に発光しているように見える。
中には色とりどりの魚が気ままに遊泳し、鮮やかな赤色のサンゴ礁が配置されていた。
私はぼんやりと水槽を見つめながら、ジェイドさんが現れるのを待つ。
しばらくして、
視界の隅で、水が大きく揺らぎ、魚が散り散りに逃げていった。
私は視線をそっちへやる。
そこにいたのは、人魚だった。
滑らかなターコイズ色の皮膚と、レースのように靡く深緑色のヒレ、引き締まった身体には墨を垂らしたような筋の模様。
私の想像していた人魚とは斜め上をいく姿。
でも、そんなのは些末なことだった。
目の前を泳ぐ人魚の、神秘をまとったような美しさは絶対的だ。
それは自由に水槽の中を遊泳して見せた。
優雅に、でも少し獰猛に。
ガラス玉をはめたような艶めく瞳が、呆然としている私を捉える。
人魚は、一度くるりと上半身を回転させると、こちらの方へやってきた。
琥珀とオリーブの瞳が、ガラスを隔てて私を見ている。
そして、まるでこちらに触れるみたいに、ゆっくりガラスに手を置いた。
長い鉤爪と、水掻きが張った、見覚えのある形の手。
私もそれに、自分のを重ねる。
視線と視線が合わさった。
その瞬間、心の中に電流が走ったような気がした。
人魚は、水の中で満足気に微笑むと、離れていってしまった。
｢あっ…｣
思わず小さく声を上げる。
重ねていた手をガラスに置いたまま、魅せられたようにじっと見入った。
この世に、こんなに美しい生き物が存在するなんて。
私は目の前の美しい人魚に、すっかり心を奪われてしまった。
"解剖"という二文字が、私の頭に浮かぶことはなかった。
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ランカスター(プロフ) - レオンさん» コメントありがとうございます！！お気に召していただけたようで何よりでございます♪ ジェイドのみ副寮長、ご指摘の通りですね！見直してみて気づきました…。ガバガバで申し訳ないです 笑 コメント下さり本当にありがとうございます！ (2021年1月4日 10時) (
レス) id: d91d53123f (このIDを非表示/違反報告)
レオン(プロフ) - すごく内容好きです....!!!!!ｳｯ...！！オクタの副寮長はジェイドのみだと思います...！ (2021年1月3日 8時) (レス) id: 8a19b2b241 (このIDを非表示/違反報告)
ランカスター(プロフ) - mitoさん» コメントありがとうございます！！ジェイド最推しの方にお褒めいただいて嬉しいです♪書いてて自信が持てますし、とっても励みなります！どうぞ、最後までお付き合い下さいね！ (2021年1月2日 22時) (レス) id: d91d53123f (このIDを非表示/違反報告)
mito(プロフ) - 更新頑張ってください！ (2021年1月2日 21時) (レス) id: ebda06392e (このIDを非表示/違反報告)
mito(プロフ) - ジェイド先輩が最推しなので最高です！大好きです！愛してます！！更新あ (2021年1月2日 21時) (レス) id: ebda06392e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ランカスター | 作成日時：2020年12月16日 15時
