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彼女にとって、僕はまだただの"解剖対象"？
Aに聞いてみたい。
先日のウサギを解剖した時と同じ気持ちで、今、こうして貴方の腕に抱かれている人魚の僕を解剖することができますか？
僕をただの献体だと割り切って、己の欲望のままに解剖することができますか？
人魚の姿で、Aの目を真っ直ぐ見すえて、聞いてやりたい。
彼女が、以前と変わらないままの気持ちで、僕を解剖したいというのなら僕はそれを受け入れ、改めて彼女を陥れる作業に励もう。
でも、
もしそうじゃなかったとしたら、僕は。
｢Aさんに、僕の本当の姿を見てほしい。｣
自分でも情けなく思うほど、弱々しい声がそう告げる。
Aの心臓の鼓動が、少し強くなった。
｢それは、ジェイドさんが人魚に戻った姿を、私に見せてくれるってことですか？｣
確認をするAの声が、かすかに震えている。
｢そうです。｣
正直に言って、Aが空気を読まないで、興奮して叫び出す展開も想像していた。
しかし、実際には彼女は至極落ち着いた様子で、
｢それは楽しみです。ありがとうございます。｣
と言って微笑んだだけだった。
観覧車を何とか乗り終え、学園へ帰るためにAは元の制服に着替えた。
外の景色は全く楽しめないで、彼女に情けない姿をさらけ出したのにも関わらず、心は何故か満たされていた。
学園への帰路の途中、Aと正式に約束をした。
僕が彼女に、人魚の姿を見せると。
今日の真夜中、
寮生が全員寝静まった頃、
モストロ・ラウンジの水槽で。
オクタヴィネル寮へ帰ってくると、Aは
｢今日はありがとうございました。
本当に夢のような時間でした。｣
と言って、何度も大袈裟に頭を下げた。
そして、また洋服やらの支払いの事を口にしそうだったので、強制的にこちらから会話を切り上げて別れた。
約束の時間まで、あともう少し。
"過度な期待をするな"
自分にそう何度も言い聞かせる。
それでもやはり頭に浮かぶのは、僕を僕として認識し、熱のこもった目を向けるAの姿だった。
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ランカスター(プロフ) - レオンさん» コメントありがとうございます！！お気に召していただけたようで何よりでございます♪ ジェイドのみ副寮長、ご指摘の通りですね！見直してみて気づきました…。ガバガバで申し訳ないです 笑 コメント下さり本当にありがとうございます！ (2021年1月4日 10時) (
レス) id: d91d53123f (このIDを非表示/違反報告)
レオン(プロフ) - すごく内容好きです....!!!!!ｳｯ...！！オクタの副寮長はジェイドのみだと思います...！ (2021年1月3日 8時) (レス) id: 8a19b2b241 (このIDを非表示/違反報告)
ランカスター(プロフ) - mitoさん» コメントありがとうございます！！ジェイド最推しの方にお褒めいただいて嬉しいです♪書いてて自信が持てますし、とっても励みなります！どうぞ、最後までお付き合い下さいね！ (2021年1月2日 22時) (レス) id: d91d53123f (このIDを非表示/違反報告)
mito(プロフ) - 更新頑張ってください！ (2021年1月2日 21時) (レス) id: ebda06392e (このIDを非表示/違反報告)
mito(プロフ) - ジェイド先輩が最推しなので最高です！大好きです！愛してます！！更新あ (2021年1月2日 21時) (レス) id: ebda06392e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ランカスター | 作成日時：2020年12月16日 15時
