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深夜に目が覚めた








.










「 もうお前はいらない 」


「 弱いお前に価値は無い 」




そう吐き捨てて

血塗れて蹲る私を尻目に春千夜が遠ざかってく



『 ッ 、 待って ! 』



脇腹から止めどなく溢れる液体を垂れ流しながら這いずるが春千夜に近付ける事はなく姿が遠くなっていく


目の前が霞んでいき叫んでも縋っても縮まらない距離に絶望した








.








「 ッ 、 おい ! 」



霞んでいた目が鮮明に開いた

さっきまで見ていた景色とはうって変わって目の前には春千夜の顔が映った



『 は 、 はるちよ ッ 、 』



呼吸が荒く苦しく体が震えている



私の手を握り 落ち着け と諭す春千夜



あれは夢だったのか

私は夢のせいでパニックになっているのか



いや本当に夢なのか

こちらが夢なのではないか








寝起きの頭で混乱しているとパシンと頬に張り裂けるような痛みが走った


その瞬間ふと冷静になれた



「 おい 、 大丈夫か ? 」



私の手を握ったまま心配そうな顔で覗き込んでくる



『 あ 、 ごめ 、 』



頭が冷静になり

手から春千夜の体温を感じ何故か涙が溢れ出てきた



春千夜の前で泣いたことなんてないのに

むしろ物心ついた頃から泣いた記憶なんてないのに



出てきた涙をどうやって止めれば良いのか分からずただ流し続けていると、そのまま抱き締められた



「 見なかったことにしてやるから 安心しろ 」



温もりに安心して気付けば呼吸も震えも落ち着いていた


普段なら絶対こんなこと起きないのにどうしてか甘えたい気分になった




『 すごく嫌な夢だった 』

「 お前が取り乱すくらいだもんな 」

『 本当に 夢でよかった 』

「 そうか 」




春千夜の腕の中で落ち着きまた睡魔が襲ってきた

眠くなりぼーっとする




「 このまま寝るか ? 」



小さく頷くと抱き締められたまま横になった




『 絶対 私の事捨てないでね 』



ふわふわと夢見心地のまま呪縛のように唱えた言葉に対し
小さく「 おう 」と返された声を聞きそのまま眠りに落ちた

味変→←28



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i(プロフ) - Raraさん» わああ、ありがとうございます!ぜひ楽しみにしててください! (2021年9月4日 21時) (レス) id: 74b3616e33 (このIDを非表示/違反報告)
Rara - このシュチュ最高です…春ちゃん大好きなんで毎回更新楽しみにしてます!これからも更新頑張って下さい! (2021年9月4日 8時) (レス) id: 11411a2c83 (このIDを非表示/違反報告)
i(プロフ) - 寝蜘蛛さん» 泣かされる春千夜いいですよね、コメントありがとうございます! (2021年9月2日 9時) (レス) id: 74b3616e33 (このIDを非表示/違反報告)
寝蜘蛛 - めちゃくちゃ好きです。春千夜が泣かされるとか・・・。更新頑張ってください。 (2021年9月2日 0時) (レス) id: d49ff9d566 (このIDを非表示/違反報告)
i(プロフ) - ヒズミちゃんさん» 私と好み一緒で嬉しいです! (2021年9月1日 21時) (レス) id: 74b3616e33 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:i | 作成日時:2021年8月31日 14時

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