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「今日イヌピーどうしたの。」
「ボスのトコ」
「大寿くん？」
「そう」
「…………私あの人嫌い。」
「知ってる。」
何で暴力振るうんだろ。詳しい事情は私は知らないけど、
て言っても完全に否定できる訳でも無い。血の繋がった兄弟なら尚更愛だの情だのが移るもんだ。大寿君は多分兄弟を愛してる。
それに加え
お互い知らないうちに本能的に理解してるんだよ。義兄弟じゃなくても義父なんかは性虐待の事例なんて殊更多いもの。知らず知らず、皮膚が触れ合う事に過剰に敏感になって恐れ、警戒し合ってる。目も合わせない。
全て見透かされている様で。でも、自然の流れか摂理か。はたまた無意識に。私なんかの弱い人間は心を許しあった人物には目を見て話す事ができる。勿論無意識なんだから一々「さっき目見て話した」なんて事も考えない。でもふとした時そう言うのを思うと貴方は特別だと思うんだよ、ココ君。
「気をつけて帰れよ」
「うん。」
ココ君と一緒に歩いてる所を見られないかいつもビクビクしている。ふとした時、兄と同じ車の色や車体を見る度にビクついているココ君はまだ勤務時間中だろ、あんま気にすんなと言ってくれるのが心の支えである。
「"図書館行ってきます"っと」
メモ書きにいつも通りそう書き置きしておいた。兄自身勉強熱心だったので塾代も負担してるし、こういう外出場は大抵許してくれている。
ココ君もしょっちゅう一緒来ていたのに最近は忙しいみたいだから誘わない。
道を歩いてるとイヌピーの"元"家を通りすぎた。もう今は跡形もなく更地状態。
…………"赤音さん"綺麗な人だったな。よく遊んでくれたのを覚えてる。ココ君もココ君で感情が着いてけてないから、あぁやってまだお金ばかり考えてる。
お金が入る度に今なら救えたのにって多分後悔してる。
イヌピーは大変だなぁ。
「あ、」
「あ、
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作者名：麦の丸。 | 作成日時：2021年8月25日 23時
