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ココ君とは長い付き合いだと思う。幼なじみとまで深い関係では無いかもだけど、でも何かと長くて腐れ縁かもしれない。そして、ココ君は私の事情を唯一知ってくれてる人物でもある。
「ココ君、最近学校来てないね。」
「暴走族なんてそんなモンだろ。」
「ふふ、変なの。」
暴走族なのに頭の回転が早くて、頭も切れて学力もそれなりにあるのに。不良と感じさせないのがココ君だ。なぜ退学しないか聞くとまた、お金の話をされた。すごく現金な奴だと思う。彼のお金への思いは少し狂っている。というより、度が過ぎている。
まだ、青二才のガキがバイトも出来ない年齢から大金に立ち向かっていたと思うと少しゾッとする。
「ココ君仕事紹介してよ。」
「は?なに、
「さいてー」
友達相手に向かって売春とはなんだ。売春とは。私にだけ通用する、とびっきり皮肉なジョーク。
「……マトモなの教えてよ。」
「ふぅん、生憎俺は闇業界しか詳しくねーよ。」
無能!と言ったら頭を小突かれた。ココ君は一捻りしてコールセンターやら、工場系などズラズラと挙げて言った。
どれも顔を見られないような仕事場。ココ君なりの気遣いなのだろう。私の兄に鉢合わせしてしまう可能性も踏まえて言ってくれたんだろう。
兄にバレてはいけない。異性との関係がバレると怒り狂うと思う。こうやって兄にビクビクしてたら多分この先ずっと軟禁されたままだ。あの家から抜けられない。
「……早く自立したい」
そうココ君に告げるとそっと壊れ物を扱うかのように撫でてくれた。やめてよ、泣いちゃうじゃん。
「何かあったか」
今日もキスされたの。体を触られたの。クラスの人からの手紙を持ってただけで怒られた。怖かったの。泣きたかった。
と様々な言葉が飛び交うのにグッと堪え閉めて
「…………ココ君には言ったげない。」
「はっ、かわいげねぇよ。」
「うっさい」
意地張ってごめんねココ君。決して裏切ったとかじゃないの。ココ君は私を偏見して見てくれないと思ったから。でも、違った。ココ君すごく優しいから、私がキスマークや歯型があるの隠してるの本当は気づいてるんでしょ?
でも、見ないふりしてくれてる。私が無理してる時真っ先に気づいてくれるのココ君だもんね。こうやって真剣な眼差しを注いでくれるんだもん。優し過ぎるから、いっぱい楽しい思い出作ろうね。ココ君と話してる時ぐらいはそんな事気にしないくらいに。
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作者名:麦の丸。 | 作成日時:2021年8月25日 23時