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黄「ジェシーくんのお見舞いにでも来たの?」
黒「あっ……いえ…
たまたま近くを通ったので見ていただけです…
それにこんな夜にお見舞いなんてしませんよ…笑」
黄「確かにこの時間はもう面会出来ないか笑」
あんまり話した事のない人なのに人見知りの俺が普通に話せてるって事は高地先生には人と関わるのが上手いんだなと雰囲気で察した。
黄「…松村さんはお見舞いって今まで来てたっけ?」
黒「………色々ありまして……行ってないです」
黄「ジェシーくんの…親御さんかな…?」
黒「………ノーコメントで」
黄「まあ…俺も苦手だからなんとも言えないな…」
黒「…そうなんですか?」
高地先生も苦手って…
黄「うーん、なんだろう
ジェシーくんの事を大切に思ってない…的な?」
黒「………そうなんですね」
黄「あっでもこの事絶対に誰にも言わないでよね?」
黒「ふふ……分かってますよ」
この人なら……少しは話したい…かも…
黒「……ジェシーの様子はどうですか?」
黄「うーん…特に何も変わらないかな、、
ずっと意識が戻らないまま……眠ってるよ」
黒「……ですよね」
ベッドに横たわったまま、微動だにせず寝ているジェシーを頭の中に思い浮かべる。
あの状態のまま……俺も、、ジェシーも、、
時が止まったままだった。
黄「何回検査しても脳に異常は見られないからこちらとしても対応出来ないんだよね…」
黒「ジェシーは……目を覚ますのでしょうか…?」
黄「…俺にはなんとも言えないな……
なんせもう9年間もあの状態だからね…。」
黒「…………」
もし、このまま一生目を覚まさなかったら…?
そう思うと勝手に身体が震え出した。
黄「…あのさ、もし良ければ何があったのか俺に話してみない…?その方が心も少しは楽になるかもよ?」
今が潮時なのかもしれない…
あの時の事は樹にも親にも詳しい事は話してない
…けど高地先生になら…
黒「…また日を改めてからでいいですか?」
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作者名:美奈 | 作成日時:2021年5月21日 0時