期間限定。【伊野尾慧】 (ページ42)

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「ちょ、ちょっと…早いって」

涼介「Aおせえぞー！」

「あいつーーー！」

私が走るのが遅いの知ってるくせに、先々進んで
後ろを向いて笑ってくる。

「いでっ！」

小さな石ころにつまづいて転ける私はどれだけ運動音痴なんだろうか。

涼介「おい！大丈夫かよ！」

「涼介のせいだ…」

涼介「ごめん。」

「わ…。」

涼介にこんな真面目に謝られたのは初めてで、
少し戸惑った。

涼介「乗れ。」

「え？」

涼介「足…怪我させちゃったし。
歩けねえだろ？
だから…背中のって。」

「…ありがとう」

涼介「やっべぇ、伊野ちゃんに殺されるわ、おれ。」

「いや、コケたの涼介のせいじゃないしさ。」

涼介「こわいわー」

「そこまで？笑」

涼介「…ほんとに伊野ちゃんと付き合ったんだな」

「…うん。」

涼介「こんなこと言われても困ると思うんだけどさ、」

「なに？」

涼介「俺、Aのこと好きだったんだわ。」

「…。ありがとう。」

おんぶしてもらってるから涼介の顔はよく見えないけど、耳が真っ赤になってた。

涼介「これからも、今まで通りよろしくな」

「あたりまえだよ。」