１８１day ページ48
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『 ……え？ 』
「 今楽しいかって、聞いたんだ 」
真剣な光に囚われて、視線を逸らせない。
世界が白と黒だけになってしまったみたいに、周りの温度が落ちて、静かだ。
「 …答えたくない？ 」
『 …………たのしくない 』
一言だけ、酷く小さな声でそう漏らした。
喉が絞られるみたいに少しの息しか通してくれない。たのしくない と紡いだ。
「 そっか 」
『 ……ごめん、本当にごめん 』
「 なんで謝るんだよ、お前 」
怒られるかと思った。ぎゅっと目を瞑った。
予想に反して、暖かい掌が頭の上に乗って、ゆっくりと撫でられる。少し開いた小さな視界の中で、彼はやっぱり優しく笑っていた。
「 おれがお前がたのしいって思えるような学院生活を創ってやる。お前の“ たのしくない ”の元凶は全部、 」
ニッと悪戯そうに笑って、彼は続けた。
「 おれがころしてやるよ 」
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“ たのしくない ”。
彼女は、綺麗な顔を歪めてそう呟いた。
無表情な、全て抜け落ちてしまったかのような瞳。裏表とか全くないと思うけど、あれがあいつの“ 本音 ”なんだなと、直感的に感じた。
「 おれがころしてやるよ 」
れおくんのそんな声が聞こえた。それはきっと彼が言うから説得力があるのであって、俺が言っても彼女には響かないのだろうなと思った。
彼女はその瞳を潤ませて、うん、と噛み締めた。
その声は震えていた。
「 なんだよ〜、なんで泣くんだよ？ 」
『 泣いてない！ 』
自然と体が前に出た。たん、と廊下を叩いた乾いた音にれおくんが振り向いて、彼女が潤み切った瞳を徐に持ち上げた。
「 お、セナ！いつからいたんだ、声掛けてくれればよかったのに！ 」
『 せ、な…… 』
「 はいはい、今来たの。俺はAに用があるから、ちょっと借りるねぇ？ 」
用なんてなかった。
うお、なんて小さく叫ぶ彼女の手首を強く掴んで、引き摺るみたいに歩く。後ろかられおくんが何かをぼやく声が聞こえたけど、無視した。ごめんね。
『 瀬名？ 』
「 いいからちょっと黙って 」
『 いや不平等！？不平等ね！！？ 』
どれだけ腹が立っても呆れても、絶対に憎めないし、今だけは離したくない。この学院の中では1番小さい掌を、掴んで離さない。
「 ねえ 」
『 なに 』
「 俺は、あんなに自信満々であんたの“ 楽しくない ”を壊すだなんて言えないけど。でも、あんたを悲しませることから守ってあげるくらいはできるよ。 」
『 え？ 』
「 俺が守ってあげる、A。 」
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雪羅(プロフ) - そうなんですか？！それなら、死ぬまでにやりたいことは、ディズニー等の遊園地に行く……ですかね。五奇人やKnightsと一緒に。できればで大丈夫です、ただの私の願望なので！！ (2019年8月13日 15時) (
レス) id: 227c03626a (このIDを非表示/違反報告)
ねむい(プロフ) - 雪羅さん» 雪羅さんはじめまして、コメントありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいです…！死ぬまでにやりたいことまだまだ受け付けてますのでよろしければお聞かせください！これからもどうぞよろしくお願い致します！ (2019年8月13日 15時) (レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - 過去編とかも作り込まれてて、凄いです。重要モブ生卵くん気になります。死ぬまでにやりたいこと、コメントしようと思いましたが手術するので駄目か……と少し悲しいですが……これからも更新頑張ってください……！長文失礼しました (2019年8月13日 13時) (レス) id: 227c03626a (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます。この作品大好きです！また読み返しました！続編に行くのですね、楽しみです。主人公ちゃんの、明るく強がってるけれど本当は脆くて弱い所とか、周りの主人公ちゃんへの愛とかがひしひしと感じられて……もう！やばいです！ (2019年8月13日 13時) (レス) id: 227c03626a (このIDを非表示/違反報告)
ねむい(プロフ) - にゃる太さん» はじめまして、返すのが遅くなってしまい本当に申し訳ありません。ありがとうございます！励みになります！これからもよろしくお願い致します！ (2019年7月14日 14時) (レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねむい | 作者ホームページ：
作成日時：2018年2月7日 23時
