来世で会えたら会いましょう！！！【あんスタ】

３４day ページ35

ＮＯ side


『あっれ〜…鬼ごっこだと思ってたのに誰も追いかけてこないじゃん…？』


中庭に女子生徒一人。


「あっれ〜…その声は立羽Aじゃん…？」


目の前に現れたのは男子生徒一人。


『あっれ〜、まだいたの、あんた』


「あたりまえだろ、俺もアイドル科だからなぁ？」


しんとした中庭に、二人の声が響く。


ねぇ、これがなにかわかる？…そう呟いて男子生徒が取り出したのは卵。



『っ…！？それだけはやめてよね、


“生卵くん”』


男子生徒はかかかっと笑ってもう一度口を開く。


「なんだよ、その呼び方。


立羽A。あの時は悪かったなぁ？」


『絶対悪いと思ってないでしょ。


きみだけは絶対に許さねぇ』


「こわいこわい、まぁいいけどな。


またやられたい？」


『なわけ。私あれから３ヶ月ぐらい卵恐怖症だったんだからね』


会話がそこで一度途切れた。


「…お前、死ぬんだってな」


『うん、そうなるねぇ。


君にとっては嬉しいだろうね、生卵くん』


生卵くんと呼ばれたその男子生徒は、立羽Aとの距離をつめる。


『ちょ、なになに？近づかないでよ』


近くまで来て、男子生徒は立羽Aの手に卵を置いた。


「全員の信頼、回復できてよかったなぁ？


プロデューサーさん？」


『…卵もらっても嬉しくないんだけど』


男子生徒はそのまま去ろうと歩きながら、問う。


「なぁ、そこまでしてこの学院に執着する意味は？


復学した意味は？


五奇人に謝る意味は？


あると思ってんのかよ」


立羽Aは笑顔をたたえて男子生徒を見た。


『きみにはわからないだろうね、


“これ” を投げたり、デマに流されることしかできないんだもん』


「そうかそうか、光栄だなぁ。


俺はきっとそういう人間だから」


『残念だねぇ。ばいばい、生卵くん』


「おー」


男子生徒とは反対方向に、立羽Aは歩き始めた。


その顔にいつもの笑顔は、ない。



，




『はすみーん、これあげるよ』


「なんだ、これは。


…卵？全く度し難い…どうしたんだ、これは」


『んー、私が産んだ』


「は？」


「誰との卵だい？僕が相手を締めてあげよう」


『ウェイ智さん怖いし生々しいねその話』



，




生卵くんは完全モブだが重要人物である


したがって重要モブである(対義語どうしが合わさってる感)

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