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朦朧/6 ページ7

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「 断る! 」

「 へっ? 」

「 私守って貰うほど弱くない!それに、たくさん傷つく覚悟ならもう出来てる。そんなに大事に守られるような存在じゃない。だから、 」


川端は太宰の、膝の上に置いた手をゆっくりと握ると視線を合わせた。彼にしては珍しく、瞳が困ったように揺れていた。


「 もう無理して守ってくれなくてもいいよ、太宰。自分のことだけ考えてたら良い 」

「 ____…ほんと、Aには適わないなあ 」


はあと息を吐いて太宰はまだ困ったように揺れていた目を閉じた。長い睫毛が少し震えていた。


「 ……テメェが知らねえうちに、随分成長しただろ 」

「 何なの中也、マウント取らないでよね 」

「 此処で喧嘩は止めてね、仮にも病院なので……というかそろそろ検査の時間だから、出てって 」


川端は火花を散らし始める2人を個室から追い出して、大きく息を吐き出した。
いくら川端でも、“危ない目に遭う”と云われた上ではいそうですかと割り切れる訳もなく、現に其れを聞いた瞬間には心底驚いた。

それでも、自分にはハッキリと守りたい物がある。このヨコハマと、大切な友人達だ。だから今此処を離れる訳にはいかないし、守られているようでは自分は何一つ守れないと思ったのだ。

外れた扉を飛び越えた2人は、個室を出ていった後も云い合いをしていたが、いつの間にかそのやり取りも聞こえなくなってしまった。



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「 ふふふ 」

「 ……気持ち悪ィな、何だよ 」

「 いやね、あんなに小さくて可愛かったAが、私の記憶の中ではまだ少女だったAが、ひとりの綺麗な女性に成ってしまったなと思ってね。 」

「 …… 」

「 皆彼女の魅力に気が付き始めると思うと、浮か浮かもしてられないね。誰かに盗られる前に手っ取り早く心中でもして貰おうかなあ 」

「 思考くるくる回してンじゃねえぞ青鯖。 」

「 そう云う中也も好きな癖に 」

「 ……ッテメェ…… 」

「 でもそうして彼女に近付いた者は、必ず彼女の異能の強さを知って利用しようとするだろう。だから中也、宜しくね 」

「 ……解ってる 」


「 ああ云われてしまった以上、矢っ張りAの隣には居られない。彼女なりの最適解__彼女なりのやんわりとした拒絶だったのだろうね、あれは。……それにしても、“思考がくるくる回る”か…昔誰かに同じ言葉を贈ったのだよね、そうして“お前程じゃないさ”なんて返されたんだっけ。嗚呼、灰被り(シンデレラ)の話だった……懐かしいなあ 」



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ねむい(プロフ) - kuroさん» こんにちは、本当にありがとうございます!とても励みになります!これからもどうぞよろしくお願い致します! (2020年1月24日 23時) (レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
kuro(プロフ) - この先の展開がとても気になります!更新頑張ってください! (2020年1月24日 8時) (レス) id: f9572c4e12 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねむい | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年1月19日 23時

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