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冬の空気は乾燥して頰が冷たい。しかし清々しいほどに晴天 そんな朝。
「 ふふふ、 」
「 …なぁに、気持ち悪いんだけど 」
「 ふふふふふふふふ 」
「 いや気持ち悪いから 」
ニヤニヤと笑う彼女の指は俺の首元の水色を指し示している。よほど嬉しいんだろうけど、巻いてあげてるのは寒いからであって。
顔を埋めて腕を制服の上から擦ると少しだけ暖かくなる。一瞬の温もりは冬の風物詩。
「 …そういえば、もうすぐクリスマスだな 」
「 んー、あぁ、そうだねぇ 」
瀬名は何か用事があるか と俺の顔を覗き込む彼女の髪が揺れた。短い前髪は昨日自分で切るのに失敗したのだという。
「 …ライブ 」
「 …えっ!見に行きたい! 」
「 ダメ 」
「 なんでだ! 」
「 なんか、とにかくダメ! 」
彼女に見られていると思うと緊張するのだ。まるでカメラを構えられた子供の頃みたいに。
「 あ、でも26日は大会だ 」
「 あぁ、陸上のぉ 」
だから大会前に! と手を擦り合わせる彼女の頬を人差し指で弾く。痛い と嘆く彼女を見て少し笑みが零れた。
「 頑張ってねぇ 」
「 えっ、じゃあ見に行って… 」
「 そこまで言ってない 」
ほら、遅刻 といつもの台詞を選択。代わり映えのない日々が少し彩られたのは自分なりに満足だった。
「 … 」
「 急に立ち止まって、どうしたのぉ? 」
「 …あ、いや、なんでもないんだ 」
道の脇にある花屋からは胡蝶蘭が覗いていた。複雑そうな表情の彼女と合わせて、一つの絵画のようだ と錯覚を起こす。
彼女との関係には、いつ終止符が打たれるのだろうか。いつまで彼女の世界に浸っていられるのだろうか。
「 …ボケっとしてないでよねぇ 」
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ねむい(プロフ) - minatoさん» そのように感じていただきとてもうれしいです;;お読みいただきありがとうございました。細かい点まで読んでいただき、嬉しい限りです。これからもどうぞよろしくお願い致します。 (2017年12月26日 14時) (レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
minato(プロフ) - コメ失礼します。お話、すごく良かったです...!ねむいさんの表現や、情景描写がすごく綺麗でせないずの精巧な美しさというか繊細な美しさ的なもの(語彙力不足)と表現によって引き出された情景や登場人物の美しさに感動しました。一言でいうと好きです((お疲れ様でした! (2017年12月26日 14時) (レス) id: 049240713a (このIDを非表示/違反報告)
ねむい(プロフ) - しみ猫さん» とても嬉しいコメントありがとうございます、そのように感じていただけて嬉しい限りです。お読みいただきありがとうございました! (2017年12月13日 23時) (レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
しみ猫(プロフ) - 感動しました、夢主の天才だけど、とても人間らしくて、読むのがとても楽しかったです、すばらしい作品をありがとうございました。 (2017年12月13日 23時) (レス) id: 48eca2380d (このIDを非表示/違反報告)
ねむい(プロフ) - イチゴプリンさん» ありがとうございます〜!いえいえ、拙い文章ですが楽しんでいただけたのなら幸いです;; (2017年12月10日 23時) (レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねむい | 作者ホームページ:
作成日時:2017年12月6日 18時