夜半/4 ページ47
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「 協力者です。彼らはこのヨコハマで最も強く、そしてこの街を守りたがっています 」
「 その組織の名は? 」
「 ポートマフィアです。それから、Aさんがこれを太宰さんに 」
「 __Aが? 」
太宰はその紙切れを開いて、かさりとしたその音に目を見開いた。殴り書きの文字に眉を顰める。
「 Aが君に之を渡したということは、彼女は白鯨に居たんだよね?__成程、そういう事か… 」
「 太宰さん? 」
「 いや、敦くん。中々面白い展開になって来た所だよ。Aはこうなることまで全て読めていたんだね 」
「 あの人、何者ですか… 」
「 君は社に戻って社長に君の旨を伝えてこい。私はこれから少し異能特務課の方に行ってくる。あ、あとそれからAはねぇ……私の、恋人だよ 」
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「 それで?貴女はどうするの? 」
「 モンゴメリちゃん、匿ってよ 」
「 はあ!?なんで私が! 」
「 え〜、だってこのままだと私おじさまに殺されちゃうもん 」
足をバタバタとさせると元の空間に戻る。先程敦くんと感動的な別れをしていた彼女は、私を匿う気なんて毛頭ないらしい。
「 貴女、その様子だと牢の鍵も開けられるんじゃなくて? 」
「 気付かれたかあ 」
「 何故脱走しないのよ、今なら見逃してあげてもよくてよ 」
「 一寸面倒なんだよね、自分で動くのは……だから、
「 シンソウコク……? 」
「 こっちの話だよ 」
彼女は手のひらをひらひらと翻して行ってしまった。呆れてしまったのかもしれない。
__そう、既に扉は開いているのだ。けれど、このまま私の予想通りだと太宰は“双黒”として中也と任務を共にし、そして“新双黒”を白鯨に送り込んでくる。
「 ……見たかったな 」
双黒の再結成。一夜限りの任務。
この目で、見届けたかった。
中也心配してるだろうな。もうあの約束から一週間以上経っているし、何も云わずに出てきてしまったからなあ。
「 ごめんね 」
__間違いない、組合の余波に乗って
私は此処では死なない。だから、約束は守る。守れる。私は自分の命を無駄になんかしない。
利用する。この命、利用して使い果たす。絶対に
「 …………三島 」
異能力も、全て自分の持てるものは利用して。
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ねむい(プロフ) - イチゴプリンさん» いつもありがとうございます、本当に励みになります、、!これからも何卒宜しくお願い申し上げます! (2018年4月2日 12時) (レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
イチゴプリン(プロフ) - ねむいさんの作る作品はとっても面白くて大好きです!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2018年4月1日 13時) (レス) id: 645f74247e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねむい | 作者ホームページ:
作成日時:2018年3月27日 16時