わたしより先に死ぬのなら逢わないで／１ ページ32
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「 ねえあんたわざと捕まったでしょ 」
地下牢の扉の軋む音は昔から好きじゃない。
「 なんのことかな？私解らない 」
こいつのことも矢ッ張り昔から好きじゃない。って云うと芥川に睨まれるしかといって嫌いって云うと芥川は目を見開くから訳がわからん
「 早く帰ってくれないかなあ、私この後からやる埋蔵金発掘の特番観たいんだけど 」
「 じゃあ私を逃せばいいじゃあないか、そんなことしたら組織を追われてしまうけどね！ 」
「 ……チッ 」
「 ほらほら、舌打ちなんてしたら可愛い顔が台無しだよ、１日幹部さん？ 」
「 ええいうるさい！ 」
鎖に繋がれた男が自棄にニコニコと笑いながら早口で話してくるだなんてそうそうできない経験だ。台風も来てるし横浜は港で大変だから買い出しにも行かなきゃいけないし早めにこいつを放り出したいのだが勝手に放り出したら此奴の云う通りになってしまうしあああめんどくせえ
「 やっぱ中也に任せる！ 」
「 えええ〜 」
やだよ私、と声が聞こえたが無視しておく、お前の事情なんて関係ねえ私がめんどくさいと思ったことはしないんだよ
「 じゃあ帰るねバイバイ 」
「 ……A 」
こつん、こつん。靴音と吐息。それと空気が動くこの感じ。
「 ……知りたいでしょ、“ 潮騒 ” 」
「 ………っ 」
矢ッ張り嫌いだ、此奴が。
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ポケットがやけに膨らんでいるなと思っていたが、忍ばせていたのは書類らしい。手を突っ込むと飴玉と一緒に顔写真なんかも出てくる。
「 これ、どうしたの 」
「 解ってるだろう？ 」
__________Aの為なら何でもするよ
「 馬鹿野郎嘘つくんじゃねえこれどうした 」
「 んー、種田さんがAに渡せって 」
「 だから嘘つくんじゃねえよ、渡せって云って正規の書類をくれる彼の人じゃないだろ。どうせフェイクだし太宰も種田さんもそんな雑な仕事するとは思えない_____ってことは… 」
「 _____うふふ、盗んで来ちゃった 」
「 …んなことだろうと思った 」
こっちに迷惑事を押し付けるな。と、云いつつも感謝の気持ちを込めて髪を撫でると太宰は片目を瞑って鼻に皺を寄せて笑った。こんな顔で笑ったの久しぶりに見た。
「 ま、いいや ちょっとだけ中也と話してやってよ！なんか鬱憤晴らしたいみたいだし 」
「 ええーそれ私怪我するやつ 」
「 どうせ包帯でぐるぐる巻きなんだからちょっとくらい怪我しても探偵社の人には気付かれないって 」
「 んーならいっか 」
「 優しいね太宰 」
「 からかわないでよ 」
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ねむい(プロフ) - イチゴプリンさん» いつもありがとうございます、本当に励みになります、、！これからも何卒宜しくお願い申し上げます！ (2018年4月2日 12時) (
レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
イチゴプリン(プロフ) - ねむいさんの作る作品はとっても面白くて大好きです！これからも更新頑張ってください！応援してます！ (2018年4月1日 13時) (レス) id: 645f74247e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねむい | 作者ホームページ：
作成日時：2018年3月27日 16時
