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ナイト・キャップ・カクテル/1 ページ36





「 首領、人遣いが荒い 」

「 仕方がないだろう、それも川端君が自由に動く為なんだから 」

「 そう云われたら流石に何も望めないです」

「 それはそうと君、最近の“勧誘”は大丈夫なのかね? 」


川端は踵を返しながら、太宰か、それとも別の方かと問う。夜の底の様な男は沈黙の後「君の云う“別の方”の話だ」と口角を上げた。


「 まあ、宗教勧誘みたいなもんですから、適当に 」







「 てかさー梶井さんも行ってたのに私達行く必要あった? 」

「 仮にも組合からの刺客だからな 」

「 仮にもってさ……まァ、首領も組合の異能力者に探偵社の奴らと一緒に巻き込まれて大変だったみたいだし 」


血塗れのアスファルトを抜けて、ヨコハマの街を見回す。組合からの刺客は割と簡単に倒れてくれたらしく、中也と私が到着した頃には、何というか潰れていた。遅れて確認しに来た首領に頭を下げて、漸く通常業務に戻れる。

と云っても、通常業務もしないのだけれど。
もう直ぐで戦争が始まるだろう。竜頭抗争みたいになったら嫌だなあ、なんて思い乍ら先行く上司の外套を掴んだ。


「 てか姐さん仕事?甘やかして貰いたかったのに 」

「 鏡花を迎えに行くんだとよ。この頃気が立ってるし、手前は太宰と遊んできたら如何だよ。情報のひとつやふたつ聞き出して来たら褒めてやる 」

「 中也……根に持ってるの? 」

「 …っ煩ェ!大体手前は何時になったら仕事するんだよ! 」


してるよと口を尖らせると段々と上から重力をかけられる。パワハラでしかないな







「 順調かい? 」

「 はい。でもさ首領、私の働きとチョコレヰトの量が合ってないよね? 」

「 ……全く、君は変わらないねえ 」

「 いいんです、変わらなくたって。それよりも、中也に秘密でこのことを進めていいの? 」

「 君は中原君が随分と気になる様だけど…良いんだよ、彼には云わないままで。彼は君への思いが強すぎる 」

「えぇ〜…そんなこと云わないでよ、唯のパワハラ上司だから…私への気持ちなんて微塵も無いよ。昨日のことだって… 」

「 昨日の事…?興味深いね、聞こう 」

「 何でも無い。 」


市販のチョコレヰトを口に放り込み、川端はせり上がってくるものを堪えた。下がって良いよという言葉に直ぐに背を向けて、歩き出す。


「 川端君、今度私にも見せてくれ給えよ 」

「 嫌 」


「 君の異能は美しい(、、、)よ、人質(かわばた)君。 」


「 …よっぽど太宰の口説きの方が、マシ 」




ナイト・キャップ・カクテル/2→←わたしより先に死ぬのなら逢わないで/4



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ねむい(プロフ) - イチゴプリンさん» いつもありがとうございます、本当に励みになります、、!これからも何卒宜しくお願い申し上げます! (2018年4月2日 12時) (レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
イチゴプリン(プロフ) - ねむいさんの作る作品はとっても面白くて大好きです!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2018年4月1日 13時) (レス) id: 645f74247e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねむい | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年3月27日 16時

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