愛で溢れたこの世界【逆先夏目】

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この世界は、限りなく空白に等しい。空虚な妄想は全て壊され、夢を見るものは其れに沈んでゆく。




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Now lodingは繰り返され、苛々を誰かに投げて生きている。人間というのは所詮そういうもので 自己嫌悪に陥っても中々抜け出す事が出来ないのである。




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“ 愛 ”というものは非常に皮肉で、人をいい方向に導いたり、人を陥れたりする。愛が無ければ生きていけない、そんな風に思わせる。愛されなければ、生きていけない。




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こんな世界ごと愛で包んで離さないなんて不可能で いつも何処かで争いは繰り返される。人は皆平等な筈なのに、“ 愛 ”という感情が欠けて喪失してしまえばそんな常識なんて関係なくなってしまうのだ。




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そんな世界で、どうして貴方を愛そうか。




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涙が落ちる様に、世界が夕陽で染まる様に一瞬で愛は喪失することが出来てしまう。全てを手放して貴方を愛しても何かが埋まる訳ではない。




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貴方からどうして愛を受け取ろうか。




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空白を埋める様にまた繰り返しては、全てを失ってしまうのだ。あり得ない魔法にさえ縋ってしまいたくなるような、現実逃避。




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私達はいつまでそんな生活を続けるつもりなのか。



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愛される権利と愛する義務。例え不思議なことが世界に蔓延っても、天変地異が起こっても、それは覆されたりしないのだ。




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どうして人を愛すのか、なんて聞かれれば答えは簡単である。




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自分が、そう望んでいるから。




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何時でも自分の信じる道に進むことができれば、報われたいと涙を流すことなく天命を終えることが出来る。




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きっとそうやって、廻っているのだから。
この世界と人類がした、最初で最後の約束なのである。





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“ 愛で溢れてしまったこの世界で、私はどうして貴方を愛そうか。 ”





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