ぷれぜんと。/明星スバル ページ22
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「 んで……これ、何？ 」
「 んー、ちょっとしたプレゼント。おまじない、……みたいな？ 」
「 えー、なにそれ！ 」
ははは、と笑い声が飛び交う。手の中には薄紅色の冷たいビーズで出来た、ブレスレットがひとつ。それは新月の真っ暗な空と、それを飾るような星屑にきらきらと照らされている。その姿に、俺は目を奪われる。綺麗に反射している訳でも無い。白く退色しているところさえある。でも、何故か俺はこのブレスレットから目が離せなかった。
＿＿あれ、この石がなんなのか知りたかったのに教えてくんなかったような……、まぁいいや。
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明星くんにあげたブレスレット、気に入ってくれたかな。気に入ってくれてたら嬉しいな、＿＿なんて。
“ 愛とやさしさの象徴 ” とされ、女性の内なる美しさを輝かせてくれる石、ローズクォーツ。明星くんにあげたブレスレットの石。別に、今日が彼の誕生日でも、ライブがあった訳でも、クリスマスって訳でも無いけど、只なんとなく、感謝の気持ちもあり彼にプレゼントをあげたいと思ったというだけで。
かといって、そのローズクォーツを選んだことに深い意味もない。只、彼がキラキラしたものが好きだから、っていう理由と、“ 愛とやさしさの象徴 ” みたいなところが彼に似ている、という理由だけなのだが。勿論、それが女性の内なる美しさ〜、なんて知る筈も無くて。だけど、それを知った上で偽物をあげる気にもなれず、つい天然石を買ってしまい。
明星くんにブレスレットをあげてから、多分結構経った。半月くらい、だろうか。明星くんは毎日と言わずとも、ブレスレットを付けてくれているようで、嬉しさと、ちょっとの恥ずかしさが交差してしまう。
「 Aっ 」
「 へっ？！ っあ、明星くん……？ 」
「 A、＿＿……次の衣装、どんな感じ？ 」
「 えっと……、まだ完成はしてないけど、順調だよ 」
「 へへ、そっか。楽しみ！ 」
明星くんの太陽にぎらぎらと照らされた海のような、青い大きな瞳が唐突に覗き込むもので、間抜けな声をあげてしまった。しかし、羞恥心でいっぱいになりながらも答えたら、明星くんが笑顔を見せてくれた。その笑顔を見た瞬間、わたしは羞恥心なんてどうでもよくなり、しかし代わりに、明星くんで頭がいっぱいになってしまって。
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作者名：ねむい | 作者ホームページ：
作成日時：2019年8月26日 19時
