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それほどまでの悲しみを乗り越えてきたなんて自惚れるつもりはないけれど、あんたのことを忘れないでいればただ初めての恋をなかったものにしないで済むかな、なんて考えていただけなんだ。あぁもう、なんて言ったらいいかわからないくらい子供っぽい。
そんなことを宣いながら、実際にはAのことなんか覚えてもいなかったんだけど。
「 もし凛月と出会っていなかったらって最近考えるんだけどね 」
「 何？ 」
「 私きっと、ここまで不幸にならなかったと思うの 」
「 それ、俺のせいなの 」
じとり、柔らかく睨みを効かせると軽く一度だけ笑った。
「 でもね、きっとここまで幸せになることもなかったよ 」
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_____９月２２日
お誕生日おめでとう、A。
人生で初めて、手紙というものを書いてみます。慣れないから、笑わないでね。
手紙だから、少しかしこまらなくちゃいけないって友達にアドバイスされました。笑ってくれてもいいから最後まで読んでほしいな。
まず、君が好きです。
あの時言えなかったことを文字に起こすのはやっぱり恥ずかしいし、素直な気持ちなんて信用してる人にしか打ち明けないから、試行錯誤してます。
初めて一緒に雨に打たれた日、夢を見ました。君に殴られる夢だった。ずいぶん昔の記憶だなあなんて、そう思ったけど。今思えば、そんなに大昔じゃなかったや。
兄との関係で、俺らしくもなく自分自身のことで悩んでいる時、まっすぐな目で頬を張ってくれてありがとう。君のまっすぐさに、迷いのなさにどれだけ俺が救われたことか。こんなこと、絶対に口に出してなんて言わないけど。
でも、今、朔間凛月が朔間凛月として存在しているのは、君のおかげです。どれだけ他人に励まされようと見えなかったものを、一瞬で光に変えて見せてくれたのは、Aでした。
本当に感謝してる。絶対に言ってやらないけど。救いようのない俺を、掬い上げてくれてありがとう。俺に光を見せてくれてありがとう。大切な他人の存在を思い出させてくれてありがとう。
そして、再会した日。俺の好きだった子の結婚式のあの日。思い出せなくてごめんなさい。どれだけ時間が流れた今でも、いつだって俺の一番大切な人は君であったはずなのに、思い出せなくてごめん。運命とか信じないけど、やっぱりあれだけは運命と呼んでもいいのかな、と思います。いや、宿命？とか、多分そんなもの。
結び切りにした思いを、終わらせないでくれてありがとう。
俺をここまで不幸に、そして幸せにしてくれて、ありがとう。
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フラッペ - ねむいさん» りっちゃんはいいですよね（＾＾）独特な雰囲気というか無気力で可愛らしいというか……でもライブではきちんとする所、好きです。更新の方は細かく繊細に書かれているのがねむいさんの作品の良いところですので、自分の思うがままに書いていただければ幸いです……♪ (2018年8月22日 1時) (
レス) id: 0c5a8c4f79 (このIDを非表示/違反報告)
ねむい(プロフ) - フラッペさん» ありがとうございます。フラッペさまからコメントをいただくたび、有難いという気持ちで胸がいっぱいになります。お気付きかとは思いますが、私も朔間凛月が一番の推しです。しかし推しほど書くのが難しい！精一杯尽くしていきたいと思いますのでよろしくお願いします！ (2018年8月20日 10時) (レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
フラッペ - 新作おめでとうございます（＾＾）推しのりっちゃんなのでとても嬉しいです……!!もう一話目で「好き」と口からポロりと出てしまいました。ホントにこの作品の続きがむちゃくちゃ気になります。ねむいさんの事応援してます♪ (2018年8月18日 21時) (レス) id: 0c5a8c4f79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねむい | 作者ホームページ：
作成日時：2018年8月15日 23時
