【瀬名泉】君を忘れる約束【月永レオ】

綺麗 ページ4

瀬名 泉side






「 みんな、今日は来てくれてありがとな 」





もう、諦めそうになるくらい、観客席は静まり返っている。






時に、「 かえれ 」「 舞台から降りろ 」なんて言葉も聞こえた。






「 降りるわけないでしょ、ね、れおく… 」






「 セナ 」





その時、王さまは泣きそうな顔で言ったんだ。






「 おれがknightsを守るから。




もし、もう戻ってこれなくなったら、その時は 、」






「 れおくん！ 」





反射的にそう叫んだ。直感だけど、れおくんと二人でステージに立つのはこれが最後なんじゃないかと思って。






「 その時は、Aのこと、よろしくな 」







「 知ってるの 」





「 あぁ、知ってる 」






セナがAのこと諦められないことくらい。





れおくんは、そうはっきり言ったから。思わず涙が溢れた。







「 泣くなよセナ、まだステージの上だぞ 」





「 っ… 」





「 …綺麗な世界だよな、要らないものは全て斬られて、焼かれて、捨てられる 」






あの阿保の目には、世界がどう映ってたかなんて、俺にはわからない。






___でも間違いなく、綺麗な世界だったんだ。本当にそうなのかはわからないけど。






「 セナ、ステージから降りてくれ 」





「 は？ 」





「 わはは、お前まで捨てられたらおれは哀しい！





だから、knightsも、Aも、全部おれが守ってやるんだ 」






強引に、ステージから降ろされる。





一人じゃないのに。俺だってknightsなのに。





「 そんなの、自分から裸の王様になってるようなもんじゃん…！ 」





ステージにいろいろなものが投げ込まれた。それはスケートとかで投げ込まれるような好意的なものではなく、





まるで［ 月永レオは要らない ］とでも言うようなモノと、罵詈雑言。





あんなステージには、誰でもいたくなくなると思う。けれどれおくんは壊れたように踊る。






もう一度ステージに上がろうとするも、押し寄せてくる人の波に憚られて





「 レオ！レオ！もうやめて！、お願いだから、もう… 」






そんな声が聞こえるステージの上で、knightsの王さまは綺麗に壊れていった。






「 あぁ、やっぱり綺麗な世界だ 」






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