犬系彼女(たまに猫) (ページ26)

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あんなよしくんを見るのは本当に初めてだった。
払いの蹴られた手に震えは止まらない一方、涙も止まらない。

末「 A、飯買ってきたから少しでも食お」

「 …や、」

目の前に出されたのはお粥、喉に通りやすいように食事がしやすいよう誠也くんが用意してくれた。だけど食べくない。

よしくんに捨てられた以上、生きてる価値とか無くて。こんな怖がりで臆病な私なんかいても無駄なだけ。
そう考えるようになってしまった。

末「 2日風呂も入ってへんやろ少しは風呂にも入らんと。な？」

あれから何も出来なくなって何しても意味がないことに気付き風呂もって言われるけど体が動かない。
首を左右に振るとはぁ…、と誠也くんが呆れたようなため息をした。

きっと、誠也くんにもめんどくさい女って思われていて面倒がられていつか家から出ていけって言われそうだからちゃんとしないと行けないのに…。

今頃よしくんはあの美沙って呼んでた女性と一緒なのかな、私より綺麗で美人だった。私と真反対で似合ってた、ふたり。

よしくんの、優しい声が聞きたくて気付いたらYouTube動画のまとめられているよしくんの声を聞き始めた。

聞いているとこの前突き飛ばされた時の瞬間が蘇り怖くなってまた泣いてしまった。

末「 A…、もう寝よか、」

携帯が奪われると手を繋がれて布団まで連れてこられる。

パチッ、と音がすると部屋が暗くなり真っ暗な部屋で寝れない私は電気をつけて欲しいとお願いした。

こんな時、よしくんはわかってるから毎日電気つけっぱにしてくれて一緒に寝るのに。