憧れと挑戦 ページ17
電話を切ると、兄さんがいつもより高めのテンションで話しかけてきた。
「もしかして、カロスに行くのかい？確かカロスは珍しい石があると聞いたんだ。」
『兄貴は石のことしか頭にないの？まぁ、2週間後にカロスに行くんだけど、もしかしたら向こうで働くことになりそうなんだ。』
「それはどういうことだい？まさか、スタイリストの仕事が入ったとか……。」
兄貴は顎に手を乗せる。考えてるときの兄貴の癖だ。
『一応そういうことになるわ。でも、店長やオーナーに認められなかったら仕事はなかったことになるの。』
セレスの言っていた事実を噛み砕いて伝える。
私がずっと憧れていたカロスでの仕事。
こんなチャンスはなかなか無いからセレスに感謝するばかりだ。
だから絶対認められたい。強い意志があるのだろうか、思わず拳を強く握った。
「そうか、出発はいつになりそうなんだ？」
『2週間後。もし、向こうで働くことになってもまた帰って来るから安心して。』
「分かった。Aがずっと憧れていた地で仕事が出来るんだよね？検討を祈るよ。」
7年前と変わらない、優しい眼差しで微笑んでいたが、その笑みはどこか寂しそうだった。
もしかしたら兄貴は……
『どれだけ離れたっても忙しくっても兄貴との約束は果たすから！バトルを辞めるなんてしないわ！』
私と戦うことを諦めてしまったのかもしれない。
気がついたら自分勝手な分析を話していた。それに、視界が涙で滲んでよく見えない。
多分、色々思い出したんだろうな。なんでこんな風になったのか分からないけどね。
「どうしたんだ急に？それは当たり前。僕も絶対果たすつもりだから。いつでも挑戦しておいで。」
兄貴は石オタで変なところがあるけど、こういうところは本当に良い所だと思うな。
『ありがと。なんか大丈夫な気がしてきたわ。あ、兄貴ー？ミクリさんの所行ってもいい？久しぶりに会いたくなったし。』
ふと考えたことを言ってみる。最近は忙しいせいか、せっかちになって思ったことをすぐ言ってしまうようになった。
「最近Aはせっかちだね。確かにミクリとは長い間会っていないな、Aは。確か今彼はジムリーダーだから出発する前に挑戦してみては？」
『いいわね。よし行ってくる！』
藍色の小さめカバンを肩にかけ、それとおそろいの色のパンプスを履き、勢い良くドアを開けた。
天気は快晴。眩しい朝の日差しが辺りを照らしている。
それは7年前のあの光景とよく似ていた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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遊星(プロフ) - 更新停止になってますが大丈夫ですか？せっかく凄く素敵な話なのに更新停止は勿体無いです。早く続き読みたいです。 (2020年11月11日 22時) (
レス) id: cc3dcebb37 (このIDを非表示/違反報告)
美風(プロフ) - 愛桜さん» 今更ながらのコメ返すみません！作者はネットコミュ障でコメ返しよう思っても、緊張で出来ませんでした(ToT)ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ この作品では思いっきりダイゴさん大誤算してるのに見てくださるなんてありがたいです！更新頑張ります(´∇｀) (2017年12月4日 2時) (レス) id: adb0bf5a1f (このIDを非表示/違反報告)
美風(プロフ) - ニカ姫さん» 今更ながらのコメ返すみません！コメントとても嬉しかったけれど、ネットのコミュニケーションになると凄くテンパりっちゃって……。ポケモンのシリーズ全部持ってるんですか？！羨ましいです┌(┌＾o＾)┐私はルビー〜SMあたりの作品ならほとんど持ってます笑 (2017年12月4日 2時) (レス) id: adb0bf5a1f (このIDを非表示/違反報告)
美風(プロフ) - 葵さん» 今更ながらのコメ返すみません！コメントとても嬉しかったんですけど、どう返していいか分からなくてテンパりましたm(_ _)m更新頑張りす！本当にありがとうございます(ToT) (2017年12月4日 2時) (レス) id: adb0bf5a1f (このIDを非表示/違反報告)
愛桜(プロフ) - ちょっと、ダイゴさんの名前が大誤算になってて笑っちゃいましたw 更新楽しみにしてます！ (2017年6月15日 22時) (レス) id: 9cc87e2711 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美風 | 作成日時：2017年4月30日 3時
