約束だよ ページ31
そして、遂には横に崩れた。寝っ転がろうと重心を倒したのだ。
そうすれば、悟さんはそのままくっ付くようにして着いてくると、今度は彼が上に覆いかぶさった。
ので、右手で口を塞いであげた。
「…つれないね。」
「私からすれば、それ以上は無いとのお約束でしたので。」
「約束、約束か。Aは約束を破るのに、僕は聞かなきゃいけないの？」
「……何を…」
悟さんは、口を塞いだ手を掴むと、フッと息をふきかけた。
右手の人差し指に、生暖かい風が過ぎる。
…そこは、紙を燃やした時に火傷を負ったところだった。
幸いにも、赤く腫れたりはしなかった。そんな何の変哲もない指。彼は目を細めて笑って、どこまでも見透かす。手のひらに、楕円形の不快な痺れが広がった。
「……わかりました、条件があります。」
「条件？」
「一ヶ月以内に、私を病院へ連れて行ってください」
「あのさ、前にも言ったと思うけど…」
「断るなら、あの薬はもう飲みません。」
ピクリと眉が動いた。明らかな動揺を、彼は静かに隠している。
そして、顔を隠すようにして、悟さんは私の胸に顔を沈め、深い息をついた。蒸すような熱さが、胸元にじんわりと広がる。
「……わかって、わかってよ、もうさ。」
今にも消え入りそうな、儚い煙のような声で、彼は呟く。普段の陽気な彼とは思えないほど、弱々しい姿だった。腰元に回された手は、小さく震えているのがわかる。
「何で、そんなにも……」
怯えているの？ と、出かけた言葉は、口の中でヒュッと溶けていく。
私が誰かと関わることを、彼は許さなかった。それはただの独占欲とかではなくて、きっと�牴甬遒亡気辰織肇薀Ε洵瓩里茲Δ覆發里世函△修陵融劼�ら伺えた。
「お願いです。この足を治してあなたと…その、デートとか…したいし、記憶を取り戻して、もっと悟さんを好きになりたいんです。今の私が知らないあなたを、知りたいんです。」
少しでも落ち着いて、話をしたかった。
真っ白の髪を撫でると、シャンプーの匂いが広がる。いい匂い。私と同じ匂い。
「悟さんは聞けば教えてくれると言いましたけど、私は�犹笋�見てきた�瓩△覆燭�見たい。」
胸元に埋められた顔がモゾっと動くと、青色の片目だけがこちらへ向けられた。拗ねてる子供みたいだ。
「……嫌いにならない？」
「なりませんよ、絶対。お約束します。」
「でもAすぐ約束破るじゃん。」
「そ…そしたら、もう好きにして…いいです…。」
「…約束だよ。」
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松野星月(プロフ) - コメ失礼します！わー、心に来る。続きがますます気になりました！楽しみに待ってます！ (5月4日 16時) (
レス) @page37 id: 7e5eb61c5c (このIDを非表示/違反報告)
ナミ - コメント失礼します！すごく面白かったです！質問なのですが,この作品は完結でいいのですか？内容的に途中だと思うのですが…もし,続きを書く予定があるのなら続きみたいです！更新頑張ってください(^^) (2023年3月21日 14時) (レス) id: cbde72f558 (このIDを非表示/違反報告)
のんのんた(プロフ) - 一般タコピーさん» 返信遅れてごめんなさい！コメントありがとうございますっっ！！身に余るお言葉ですがめっっっちゃくちゃ嬉しいです(/Д`;💕︎ 不定期になってしまいますが、更新頑張ります！- ̗̀( ˶^ᵕ'˶)b (2022年12月19日 13時) (レス) id: a4f760f5fa (このIDを非表示/違反報告)
一般タコピー - 神作品だ！作者様の文才が素晴らしくて一気に読んでしまいました！更新頑張ってください！ (2022年12月15日 18時) (レス) id: e79aa4edc0 (このIDを非表示/違反報告)
のんのんた(プロフ) - あさん» 嬉しいです！！ありがとうございます！私も好きです！！！(唐突) (2022年12月13日 17時) (レス) @page36 id: a4f760f5fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のんのんた | 作成日時：2021年10月4日 4時
