いっぱい食べる君が好き【モトキ】 ページ5
ある日の夕食
貴「ふんぬふんぬふーん♪」
マサイ宅のキッチンでトントンとリズムを刻むA。
珍しく夕食を作ってくれるそうだ。
エプロン姿のAは新妻みたいでとても可愛らしい。嫁に欲しい。
モ「なんか手伝う?」
貴「ううん、大丈夫。今日もトレーニングしてきたんだろい?座ってていいよん」
モ「そっか、ありがと」
嫁に欲しい。
貴「よし、でけたー」
モ「あ、運ぶよ」
貴「あんがとー」
さすがに座りっぱなしは落ち着かないのでちょっとばかりお手伝い。
そして色とりどりの美味しそうな料理が並べられた。
貴「ありゃ?シルクたちは?」
モ「飲み物買いにコンビニ行ったよ。あと少しで帰ってくるんじゃない?」
貴「りょ。じゃあ冷める前に私たちだけで食べよっか」
貴、マ「いただきます!」
Aの手料理を口に運ぶ。
美味しい…。
貴「どう?」
モ「美味しすぎて感動してる」
最近忙しかったせいか、弁当や外食ばかりで不健康な食生活を送っていた。
そのおかげか本当に今泣きそう。
貴「みんな不健康な生活送ってるからさぁ…心配してんだよ?」
モ「ありがとう…」
ふと、先日の健康診断を思い出した。
なんとなく箸を止めた。
貴「どした?まずい?」
モ「や、違うんだけどさ」
急に食べるのをやめた俺をAは不思議そうにみた。
彼女も食べるのを止めた。
貴「ん、言ってみ」
モ「…俺、隠れデブだったからさ…」
そう、先日の健康診断で比較的健康ではあったがショックだった結果があった。
そういうことである。
貴「あー…健康診断のやつね」
モ「…はぁ」
思い出したら食欲がなくなった気がする。
せっかくAが作ってくれたのに。
貴「モトキ」
モ「ん?」
するとAはあーんといって箸を俺に向けてきた。
えっ。
貴「わたしはもっきゅんがたくさん食べてるとこ見るの好きだよ」
モ「すっ…」
貴「そんなのこれから改善できるから!私も手伝うし、そんな落ち込む必要ないって!」
モ「A…!」
俺はぱくっと差し出されたご飯を食べた。
Aはにこっと笑って自分のご飯に手をつけ始めた。
この新婚のような、初々しい感じがたまらん。
貴「とりあえず、お米のおかわりは禁止ね」
モ「…はぁい…」
現実はそう甘くないけど。
モ「(いつか本当に…)」
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作者名:翡翠 | 作成日時:2018年4月14日 16時