慈ly烏はチ ページ19
一方その頃───
芥川「……うッ……」
街の雑踏とは正反対に薄暗い無音の空間の中で、芥川は目を覚ました。
芥川(此処は……)
レイ?「あららら。お目覚め?」
間の抜けた声と共に空間が黄色い光で照らされ、岩で出来た壁と天井が見えた。
それによって、芥川は此処が洞窟内の何処かであることと、自身が謎の大木に縛り付けられていることが判った。
レイ?「お早う様。ご機嫌悪い?悪いわよね。ジメジメした所に居たら何もかも湿気るもの」
芥川「……今度は如何いう類の狂人だ?」
聞き慣れない口調からまた新たな人格であると判断した芥川がそう尋ねると、彼女はさも気分を害したように頬を膨らませた。
レイ?「なんて堪らなく失礼な人。礼儀の頭文字も習わなかったのかしら?でも善いわ。アタシの機嫌が良好な限りは、どんな粗相も愚行も無礼も無視してあげる。
それじゃあ礼儀のお手本として挨拶から。
アタシは貴方に苦痛という苦痛を懇切丁寧に教えるケイ罰の『刑』
?「僕。『杭』。寝る。
?「わ、私、ああれ?僕?は、その、天才の、じゃなくて!悪い天サイの『災』、です。
あともう一人はベイって云う、名前に因んでお食事を用意してくれる料理人の『皿』って奴が居るんだけど、あいつは料理しかしないから省いとくわね」
会話の途中でコロコロ人格を変えながら、三つの人格はそれぞれの自己と他者の紹介を終える。
刑「というわけで、宜しくしないからお見知りおきもしないでね」
芥川「体の悪い挨拶なんぞいい。それより、苦痛を教授するとは如何いう所存―――」
と、芥川が言い終える前に、刑は彼の顔のすぐ横を包丁で刺した。
刑「……判り切ってないみたいだから仕方なーく教えるわ。貴方には発言権処か生存権すら無いの。この場においての絶対的支配者はアタシであって誰でもない。
つまりー……
貴方は散々甚振られた後に食される運命なのよ。芥川龍之介」
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雪碑(プロフ) - まつかわもちさん» 一作目から読んでくださりありがとうございます!まぁ、評価するかどうかは個人の自由ですから…‥ (2018年7月22日 9時) (レス) id: 12c252c2e1 (このIDを非表示/違反報告)
まつかわもち(プロフ) - 一作目から一気読みしてきました! 面白いです。頑張ってください! これは独り言です……お気に入りは沢山あるのに評価が一切ないって嫌ですよね。 (2018年7月22日 9時) (レス) id: 895f1d2de6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪碑 | 作成日時:2018年7月18日 23時