【QK】某頭脳集団には、実は秘蔵っ子がいるようで 2

遠慮はおしまい ページ21

須貝side



乾｢Aちゃん、これは？｣

A｢ポイする〜｣

乾｢ん。これもポイ？｣

A｢ん、ポイ！｣




須貝｢あ"〜〜〜尊…｣

山本｢須貝さん声大きいですよ笑｣


けらけら笑う山本はそんなことを言いつつも目線はAちゃん一直線。
お前も人のこと言えねえじゃんか。


現在進行形で俺らは撮影部屋の断捨離中。
結構散らかってて、もう使わないようなやつは捨てるか〜ってなって、今。

乾と一緒にこれは捨てる、捨てない、ってやってるAちゃんは、ご覧の通りチョーカワイイやり取りを繰り広げている。



彼女は例の一件以来、ほんの少しだけ子供っぽくなった。
なった、と言うよりは戻った、のが正しいのかも知れん。多分この子は元々こっちのが素なんだろうな。

最近は乾だけじゃなくて俺らにも少しずつわがままを言ってくれたり、こないだ俺が研究忙しくて2週間ぶりに会った時なんて、顔みた途端｢すがいさん！！｣って駆け寄ってきてくれてさ。もちろん全力で撫でましたとも、ええ。


まあとにかく、いや、なんというかさ、ちょっと可愛すぎん？


そんなヲタクじみた思考で作業を続けていると、あっちの方はどうやら一段落ついたらしい。


A｢んあ〜…｣

乾｢んふふ、ちょっと疲れたね｣

A｢乾くんココア〜｣

乾｢俺はココアじゃないです〜｣

A｢ねーえ、飲みにいこー、って。いや？｣

乾「ふふ、冗談だよ、行こ」


いやちょい待て、なにしれっと二人で行こうとしてんのよ。さすがに見逃さんぞナイスガイも。


須貝｢Aちゃん、お兄さんが付き合おうか、それ｣

A「え！いいんですか！」


そう声を掛けた俺にぱあっと顔を輝かせてこちらを振り返るAちゃんと、その奥で少し驚いたように俺を見る乾。



なあ乾、俺も今までは優しく見守るお兄さんでいたけどさ、そろそろ卒業したいんだわ。
だからすまんな、もう遠慮はなしってことで。


山本「ええ、なら僕も行きます！」

A「じゃあみんなで一緒に行きましょ！」


ね？と嬉しそうに若干不貞腐れ気味な乾の顔を覗き込んで、ぐいぐいとその腕を引っ張っていく彼女。

ほら乾、ちょっといじけてんの気づかれてんぞ。





A「須貝さんありがとうございます！」

須貝「ん、どーぞ」

乾｢ご馳走様でーす｣

山本｢でーす｣


なんか予定より2本ほど多く買った気がするが、一生懸命ココアをふーふーするAちゃんが見られたのでこれは実質タダ。俺の勝ち。

【乾ヤキモチ】秘蔵っ子とCEOのおはなし会→←妹扱い？

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