11*(木葉side) ページ12
「あー…やっぱり来ねぇよなあ…」
練習後、宣言通り水道場でAを待つも、
一向に来る気配はない。
もう1時間経ったか?
…まだ5分しか経ってないのかよ。
1時間くらいは待っていようと思って待ち続けるも
体感時間と実際の時間の差があまりにも大きく
心が折れそうになる。
加えて、夜の独特な香りと
虫の鳴き声がより一層俺を寂しくさせる。
失恋にはピッタリな夜だな。
などと物思いにふけっていると、
タッタッタッと子気味の良い音が俺の近くへ来た。
『木葉くん、ごめん…っ!』
「…え? A? なんで…」
走ってきたためか少し息が乱れているAは
一度深呼吸をしてして、俺を見た。
『「待ってる」って、言ったから…』
「言った、けど…」
だってあんな逃げられて
まさか来てくれるとは思わないだろ。
未だに信じられない。
夢を見ているように頭がふわふわする。
『遅れて、本当にごめんなさい。お昼も、逃げてごめんなさい。…い、言い訳にしかならないと思うんだけど、恥ずかしさに耐えられなくて…』
なんだよそれ。
なんで、そんな可愛い事しか言えないんだよ。
1回諦めかけたのに、
どうして俺をこんなに好きにさせるんだよ。
「恥ずかし…かったの?」
『…うん。胸がすごくキュンってなるの、初めてで…』
暗闇で分かりずらいが
Aは頬を赤く染めているのは、想像に難くない。
きっと真っ赤だ。
俺も真っ赤になってんだから。Aも絶対にそう。
じゃなきゃおかしいだろ。
Aはあんなこと言ってんのに
俺ばっかり好きみたいで。
『知らない間に、私すごく木葉くんが…その、す』
「待って待って待って」
胸を締め付ける甘酸っぱい空気が漂い
Aが口を開けたかと思えば
告白をしようと言葉を紡いでいた。
待ってよA。
その先は、俺に言わせて。
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ハク(プロフ) - 麗華さん» コメントありがとうございます! 本当ですか…!? そう言っていただけるなんて、幸せです。他のお話まで…! ありがとうございます! (2020年7月6日 22時) (レス) id: 63b947b75a (このIDを非表示/違反報告)
麗華(プロフ) - やばいです ハクさんのこの作品のおかげで 木葉くんのことより好きになりました(推しがまた増えました〜笑)ハクさんの他の作品も読ませていただきたいと思います! (2020年7月5日 20時) (レス) id: 13c4eb69c2 (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - 優さん» そんな!!全然大丈夫なので土下座謝罪はよして下さい! こちらこそ申しないです。ご理解頂きありがとうございます。 (2020年7月4日 22時) (レス) id: 63b947b75a (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - 蓮莉☆〜(ゝ。∂)さん» 語彙力なくなるほど喜んでいただいて光栄です……!!応援もありがとうございます。がんばります! (2020年7月4日 22時) (レス) id: 63b947b75a (このIDを非表示/違反報告)
優 - すみません……ハクさんの事誤字で呼び捨てに……すみません(土下座) (2020年7月4日 18時) (レス) id: bb69e0f18e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハク | 作成日時:2020年7月2日 20時