推しと恋愛は無理です!【mfmf】

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まふまふ side



叫んだ



近所迷惑なんて分かりきっているが叫ばずには居られなかった



叫べば叫んだだけ涙が出てきた




分かりきっている涙の理由



「失恋」だ



ま「好きなのに……届かなかった……」




人生初の失恋は想像以上に重すぎて



もう、1歩も動けなくなってしまってその場に崩れた




何が足りなかったのか分からない



僕が歌い手だから？Aさんの推しだから？



それじゃ歌い手の肩書きも全て取り去ったら彼女は僕を見てくれるんだろうか？




永遠に泣き続けている僕に一人の人が近づいてきた




「大丈夫ですか？」




ふと顔を上げると、今1番見たくない顔が僕を見下ろしていた



ま「白石くん……」




遙真「立てますか？あ、僕の手掴んでください！」



優しさとともに差し出された手も今の僕には響かない


誰が好き好んでその手を取るんだろうか




ま「いいよ……これくらい立てるし」




僕が悪い態度をあからさまに取っているのに嫌な顔一つしない白石くん



どこからどう見ても好青年だ




ま「なんで君がいるの」




無理やり目尻の涙を袖で拭って聞くと、




遙真「帰っていたら公園で人がうずくまってるんですもん


心配しますよ」



当然でしょ？と言わんばかりの表情で返してきた



ま「そう…」




遙真「有名な方がこんなところで何を？」




いや聞くか……？

気になるだろうけど話したくないんだよ特に君には！



地味にいらいらが重なって顔を背ける



こんな態度良くない良くない……




ま「別に」




遙真「……そうですか」




ま「それじゃ僕は帰るから」



一刻も早くこの場から去りたかった






遙真「そりゃ言えませんよね


好きな人に振られて泣いてましたーなんて」







ま「！！！！」



さっきまでの声色とまるで違う


その声が白石くんから発されたと気づくまで少しかかった



振り向くと口元を抑えていてその隙間から笑みが見えた



面白くて仕方ない、という笑顔




ま「君は誰？」



ふとそんな変な質問を投げかけていた




遙真「やだなぁ、白石遙真ですよ


あぁ、ちょっと違うか




あなたの大好きで大好きで堪らないAちゃんの彼氏である、白石遙真です」





嘲笑するような笑みでそう言い放った白石くんはもうどこからどう見ても好青年ではなかった

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