私が帰る場所【skt】

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坂田 side



Aの顔が暗くなった。



ご飯を食べるのをやめて、ただ下を向いている



自分は普通とは違う、と苦しんでいる



俺はそんなことを思って欲しかったわけやない



ただ、明るい世界にもAの居場所はあると知って欲しかった



それが普通を取り戻す手助けになると



でも...そこまで普通に拘る必要あるんやろか


俺はAに自分を大事にして欲しい



そのうえで必要となる普通を知って欲しいんや



さ「普通って、Aにとってはどんなのなん？」



『例えば...男の人の家に来るってことはえっちをするのが当たり前だったり、嫌な人に会ったら喧嘩をするのが当たり前



こんな感じ？』



さ「そうやな、Aの普通はそうや


でも男の人の家に来たってみんなえっちなことする訳ちゃうし、嫌な人にあったらすぐに喧嘩をしていい訳ちゃう。」



『なんで？』



さ「それが自分や他人を傷つける行為やからや


普通ってのは1度ズレると厄介なんや


戻すのに時間がかかる」



俺の話をただAは聞いてくれている


きっと反抗したいやろうに



さ「やから今は苦しいかもしれん



普通と違うって結構辛いんや。


...そうだ、俺の友達にも普通と違うって苦しんでるやつがおんねん


会ってみるか？」



『その人と会ったら何か変わんの？』



あいつとAは少し似ているかもしれへんな



さ「そりゃ会ってみなわからんやろ」



『考えとく』



さ「おー」



Aが少しずついい方向に進んでいるのでは？と感じられた


今はそれだけで十分



...それにしても本当にAはなんで家出なんてしたんやろうか

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