居心地のいい場所とは (ページ37)

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二宮side

「ニノこそどうしたの、こんな時間に。」

月に見入っていた俺に翔さんが問う
寝れないの？って首を傾げる翔さんが可愛いくて口に出しそうになるのを頑張って堪えた

「う～ん、人ん家だとね、寝れない人なの。」

「あ、俺もそうかも。なんか落ち着かないよね」

「翔さんも？意外」

「そう？」

「こてんって寝ちゃいそう」

「智くんじゃないんだから(笑)」

「でも、大野さんと翔さんってなんか雰囲気似てる気がしますよ？なんかふわふわしててあったかい感じが」

「俺ふわふわしてる？(笑)でも智くんは昔からふわんふわんだからなぁ、うつったのかも(笑)」

「翔さんと大野さんっていつから一緒なの？」

「うーん、俺が小4のときからだから7、8年？」

「へぇ、大野さんが転校してきたってこと？」

「そうだね、」

「ここの近く？」

「ううん。」

「……もとはどこにいたの？」

「おい、何してんだ。風邪引くぞ」

低い声に振り返ると怖い顔した大野さんがいた
せっかくいい感じで聞き出せそうだったのに…
大野さんは無言で翔さんに毛布をかけて立たせる

「ごめんって。寝れなくてなんとなく外に出ちゃったの、ニノは俺を中に入れようとしてくれたんだよ？」

って翔さんが言ってもなんにも言わない
中に入った俺らは椅子に座るように指示された
なんとなく静かに座らないといけない気がしてそっと椅子を引いて座った
恐る恐る顔を上げると

「ったく…言い訳はいいわけよ。ホットミルク作ってやるから二人で待ってろ」

そう言ってキッチンに向かった
ダジャレ混じりのぶっきらぼうな言葉に怒ってないと確信した俺と翔さんは顔を見合わせてニコっと笑い合った

ホットミルクどれくらいでできるかなってぼーっと考えていると手をぽんぽんとたたかれた
翔さんを見るとヒソヒソ声で

「さっきの答え、

俺らは

東京にいたんだ。」

「…え？」

「はいっ、おおちゃんん特製ホットミルクでい」

「んふふ、ありがとう。いただきます！」

「ニノ？」

「、はい？」

「冷めるぞ？」

「、あぁ…すみません、ありがとうございます」

黄色いマグカップに入ってゆらゆらゆれる真っ白なミルクはまるで俺の気持ちを表しているようだった