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「えっと、用事って…」
「祭りで全員の目がここに向いてる間に
立ち入り禁止区域で悪さする奴らがいるんだよ。」
会場は騒がしいはずなのに
時が止まったように周りの声も雑音も聞こえない。
深澤さんは山に向けていた視線をゆっくり私に向けると
力なく微笑んで、ラウくんに誘導棒を渡した。
「じゃあ後はよろしくね〜。」
「え、あ、ちょっと」
慌てて深澤さんを追いかけようとすると
右手を思いきり引っ張られて
私よりもはるかに背の高に体に抱き寄せられた。
「ラウくん？」
「行かないで、お願い。」
耳元にあるラウくんの胸から
どんどん早くなっていく心臓の音が聞こえる。
思考回路は停止寸前という所まで来ていて
彼を突き放すこともできない。
「気づいたんでしょ？」
「何を？」
「ふっかさんが
みんなの事見張ってるって。」
息をするのも忘れて
顔を上げラウくんを覗き込む。
今にも泣きだしそうな表情は儚くて
何も言えずただ見つめる私に顔を近づけると
優しく唇に触れて目を閉じた。
「あの、」
「言ったじゃん、Aちゃんの事守るって。」
「ラウくん…」
「だから行かないで…っ、」
早く深澤さんを追って
先輩たちを助けないといけないのはわかっている。
でも私の事を思って泣いているラウくんを突き飛ばして
この場から離れることもできない。
「でも、」
「早く逃げよ？」
私の手を引いて、祭り会場を出ると
もと来た道を走り出した。
どんどん立ち入り禁止区域が離れていって
立ち止まろうとするけれどラウくんはそれを許さない。
段々見覚えのある景色へと変わって
ようやく走るのをやめたのは、彼の家の前だった。
「私、あの…」
「今日一日俺の家で隠れてればいいから。」
どうすればいいのかわからなくて
段々呼吸が荒くなり目の前がぼやけていく。
立っているのもやっとで体の力が抜けそうになったところで
ラウくんが腰を支えてくれて
もう走る力もなく、そのまま家の中へ連れられて行った。
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ぱぐたろう(プロフ) - そふらさん» 読んでいただきありがとうございます🤍そう言っていただけて嬉しいです！折り返し地点まで来ていよいよ最終章が近づいていますので、最後まで御付き合いいただければ嬉しいです🙇♀️ (2022年9月4日 19時) (
レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - なぁたさん» 前編読んでいただきありがとうございます🙇♀️暑さが吹っ飛ぶような内容になっていればと思います(肌寒くなってきましたが笑)楽しんでいただけて嬉しいです🤍最後までよろしくお願いします！ (2022年9月4日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
そふら(プロフ) - 更新ありがとうございます！続きが気になって頻繁にチェックしてしまう程面白くて最高な作品です！大変だと思いますが更新楽しみにしてます！ (2022年9月3日 2時) (レス) id: 8614b66f6c (このIDを非表示/違反報告)
なぁた(プロフ) - 作品更新嬉しいです！今回更新分の内容ずっと、うそでしょ、まって、こわい、しんどい状態でした。ドキドキさせてくれてありがとうございます。また楽しみに待ってます☺️ (2022年9月3日 2時) (レス) @page45 id: bf7a073558 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2022年8月11日 19時
