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＿you side＿
佐久間は宣言通り
私が夏休みに入ってから頻繁に何処かへ連れて行ってくれた。
いつものカフェだったり地元周辺はもちろん
深澤さんは岩本さんを誘って遠出することもあった。
これだけ佐久間が寄り添ってくれているのに
死にたいという気持ちは中々消えることはなくて
行動に移しては周りに止められることを繰り返していた。
「A、ちょっといい？」
涼太とはあの日以来ギクシャクしつつも
かろうじて少しだけ話せるようになっていた。
でもこうやって改めて呼び止められるのは久しくなくて
突然の事に何故か冷や汗が伝った。
「今年も来たんだけど、見る？」
「…もうそんな時期か。」
涼太の手に握られているのは白い封筒で
手紙だけではないのであろう厚みに溜息が出る。
私を苦しめている一番の原因はきっとこれだ、
首を横に振って自室に戻るけど心にずっと引っかかっていて
この日からまたあの夢を見るようになった。
“明日も生きたいって、初めて思ったよ。”
「嘘つき…、」
佐久間で埋め尽くされていた頭の中を
あっという間に塗り替えていって
無常に自分を傷つける行動を起こしたくなる。
あの時、違う選択をしていれば
今頃義足を受け入れて新たな人生を踏み出せたのだろうか
なんて後悔しても遅いことを考えてしまう。
「A、佐久間来たよ。」
「…今日は涼太から断ってくれないかな、」
「…っ、ちょっとおいで。」
部屋に入ってきた涼太が私を抱きしめる、
その瞬間に張り詰めていた何かが切れて
声を殺しながら涙を流した。
「夏バテで寝てるって言っておいたよ
凄い心配してたから後で電話してあげて。」
「うん、」
「Aが良ければなんだけど
あの手紙、読んでいいかな？
毎回読まずに送り返すだけじゃ向こうも納得しないだろうし
読んで返事をすれば、もう送ってこなくなるかもしれない。」
「ちょっと、待って…」
涼太の言葉に甘えれば、すぐに終わるかもしれない
でもそれじゃいけない気がして
この話は保留にしてもらうことにした。
今思えば私は逃げてばかりだった
それを前向きにしてくれたのは紛れもなく佐久間で
カフェのみんなや涼太にも救われることは多かった。
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ぱぐたろう(プロフ) - ぴくみんさん» 読んでいただきありがとうございました！！書くこと自体迷っていたお話だったのですが、書いてよかったです。次も楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2021年8月15日 22時) (
レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ゆりあさん» ありがとうございました！凄く迷いながら時間をかけて書いたお話なので、そう言っていただけて凄く嬉しいです。 (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - こころさん» 読んでいただきありがとうございました！そう言っていただけて凄く嬉しいです！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ぐりーんかれーさん» ありがとうございます！楽しんでいただけて凄く嬉しいです。次回も頑張りますのでよろしくお願いします！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - 名前さん» ありがとうございました！受け取りての方によって違う感じ方を楽しんでいただければと思い書いてみました。次のお話も頑張ります！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年8月10日 19時
