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「佐久間は、楽しかった？」
「すっごく楽しかったよ！」
「でも、私のせいで凄く見られてた…。」
確かに車椅子は少し目立つかもしれない、
ブランケットの隙間から見えた義足を
まじまじと見ている子供なんかもいた。
「もしかしてプールに誘った時に嫌がったのって
それが原因？」
「向こうに悪気がなくたって
人は自分と違う何かと出会った時に
好奇の目で私を見てくるから。」
「そっか、」
「私もうとっくに、
自分の中で踏ん切りはつけてるんだ。
泳げなくても水の中は好きだし行きたい気持ちもある
…でもまだ義足に向けられる視線は乗り越えられてない。」
ようやくわかってきた、Aちゃんの本心。
みんなが思うより彼女は強くて
それに気づかず割れ物を扱うように接する周りの人間が
段々とその強い意志を弱くしていったんだ。
「今日も凄く不安だった、
でも…佐久間が隣で笑っててくれたから
少しだけ、義足の事とか色々忘れることができたよ。」
「Aちゃん…。」
「佐久間が私の事好いてくれてるんだなって
凄く伝わってきたし
今日が終わらなければいいのにって思った。」
人の気持ちを変えることは難しい
一度でも死を意識した人の考えは特に
そう翔太は言っていたし、俺も簡単なものではないと思っていた。
でも、今目の前にいるAちゃんは
初めて出会ったあの日とは別人のようで
根気よく寄り添えば変えられるんじゃないか
そんな一筋の光が差し込んできた。
「俺も、同じ気持ちだよ。」
「同じ？」
「今日がずっと終わらなければって、
それは現実的にできないけど
今日みたいに楽しい時間を毎日作ることは出来るよ。」
「佐久間、」
「…俺と一緒に、作っていってくれないかな？」
手を力強く、痛くならない程度に握りしめて
真っ直ぐ訴えかけるように目線を合わせる。
俺の背丈ほどある向日葵たちがこちらに顔を向け
夕日がAちゃんの顔を照らす中
噛みしめている唇が開くのを待っていた。
「…考えとく。」
「うん、Aちゃんが夏休みに入るまでに
沢山企画しておくからね。」
小さな前進かもしれないけれど
俺とAちゃんにとっては大きな一歩だった。
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ぱぐたろう(プロフ) - ぴくみんさん» 読んでいただきありがとうございました！！書くこと自体迷っていたお話だったのですが、書いてよかったです。次も楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2021年8月15日 22時) (
レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ゆりあさん» ありがとうございました！凄く迷いながら時間をかけて書いたお話なので、そう言っていただけて凄く嬉しいです。 (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - こころさん» 読んでいただきありがとうございました！そう言っていただけて凄く嬉しいです！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ぐりーんかれーさん» ありがとうございます！楽しんでいただけて凄く嬉しいです。次回も頑張りますのでよろしくお願いします！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - 名前さん» ありがとうございました！受け取りての方によって違う感じ方を楽しんでいただければと思い書いてみました。次のお話も頑張ります！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年8月10日 19時
