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「佐久間だ、」
「顔の赤みも引いてる…よかった…」
「…佐久間の方が顔赤い、」
ベッドに横たわるAちゃんは
まだ口調が安定していないけれど
顔色は元に戻っていてもう大丈夫なようだった。
ベッド横に設置されたパイプ椅子に座ると
Aちゃんは何も言わず窓の外に視線を移した。
中庭で揺れる向日葵が、こちらに顔を向けていて
それをただぼんやりと見つめているようだった。
「…佐久間、」
「どうしたの？」
「…気づいてた、熱中症になってるかもって
でもこのままほっとけば死ねるかなって思った。」
何となく、そうじゃないかと思っていた。
Aちゃんだって炎天下の中、帽子や水分も用意せず
長時間自力で車椅子を動かし続ければ
どうなるかなんてわかっていただろう。
「でも、佐久間が気づいてくれて
すぐ病院に連れて来てくれた時
文句言わなきゃ死ねないなって、最低な事考えてた。」
「…そっか！！」
「え、佐久間？」
翔太に言われたあの言葉が頭の中を駆け巡って
自分の行いを見直した方がいいんじゃないかと
仕事も手につかないほどに悩んでいたのに
Aちゃんが死んでしまうかもしれない
そんな最悪な展開が過った時
偽善だとか好意だとか全部抜け落ちて
助けたい、その一心で走り出した。
「俺、Aちゃんの事が好きだ。」
「どうしてそうなるの、」
「そもそも考えるのがおかしいんだよね！
好きになるのに理由なんてないでしょ、
俺はAちゃんが好きだし
これからも生きて欲しい、隣で。」
出会ってまだ日は浅いし年齢差もある、
彼女が抱えているものすべてを知っているわけではない。
それでもこの気持ちが好意だと気づいたんだから
これからもそばで寄り添いたい
Aちゃんの生きる意味になりたい。
「…私は好きじゃない。」
「今はそれでいい！
俺絶対振り向かせるから。」
Aちゃんはただただ呆れた顔をしている。
そんな表情すらも愛おしいと思えるほどに夢中になっていた
何であれだけ悩んでいたんだろうと笑えるほどに。
「じゃあ今日は帰る…、」
「佐久間？」
「く、車椅子と…鞄…
置いてきちゃった…、あはは。」
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ぱぐたろう(プロフ) - ぴくみんさん» 読んでいただきありがとうございました！！書くこと自体迷っていたお話だったのですが、書いてよかったです。次も楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2021年8月15日 22時) (
レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ゆりあさん» ありがとうございました！凄く迷いながら時間をかけて書いたお話なので、そう言っていただけて凄く嬉しいです。 (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - こころさん» 読んでいただきありがとうございました！そう言っていただけて凄く嬉しいです！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ぐりーんかれーさん» ありがとうございます！楽しんでいただけて凄く嬉しいです。次回も頑張りますのでよろしくお願いします！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - 名前さん» ありがとうございました！受け取りての方によって違う感じ方を楽しんでいただければと思い書いてみました。次のお話も頑張ります！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年8月10日 19時
