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＿Sakuma side＿
「やっぱり心配…。」
「俺ら早く仕事覚えます。」
「ごめんね。」
あれから阿部ちゃんと早見さんは
意気投合したのかいつの間にか仲良くなっている。
昼食を食べ終わりオフィスへ戻ると
男女の言い合っている声が聞こえた。
「余計なことすんなよ。」
「余計なことって何よ！
あんたに任せたらAちゃんが可哀想だから
私たちが助けてあげてるだけでしょ？」
物陰から三人で近づいていくと
渡辺さんと社員の女性が何やら言い争っていて
視線をずらすと少し遠くの方で
岩本さんが困った顔でその二人を見つめていた。
「俺がついてんだから問題ねえよ。」
「あんたがついてる時点で大問題なの！
ありえない、宮館さんに言って私が付くようにしてもらう。」
このままじゃどっちかの手が出てしまうと思った時
早見さんが止めに入って何とか事は大きくならなかった。
「何であんなに目の敵にするんだろ。」
「もしかしたら担当変わるかも、
私もここれ以上渡辺にAちゃん任せられない。」
阿部ちゃんが怖い顔で渡辺さんを睨んでいると
俺らのもとに戻ってきた早見さんも同じ顔をしていて
何やらメモに書き始めると
岩本さんに駆け寄ってそれを見せた。
“やっぱり私が付こうか？”
そう書かれたメモを見て驚く岩本さんに
早見さんは笑顔を見せた。
するとそのメモを渡辺さんも見たらしく
立ち上がってまた睨み合ってしまった。
「お前朝から何なの？」
「こっちのセリフ、
フォローする気ないなら斎藤に任せてもいいじゃない。」
「フォローってな、
お前らがやってることなんて偽善の押し付けだろ
甘やかしてんだよ。」
「はぁ？」
2人とも岩本さんがすぐそこにいるのに
言い合いを始めてしまって終わりそうにない。
阿部ちゃんが止めに入り、徐々に落ち着いたけど
岩本さんを横目に見ると少し震えていた。
「怖い？大丈夫？」
自分が想像していたよりも大きな声が出てしまった。
俯いていたから顔を覗き込みながら声をかけてしまい
突然でびっくりしたのか驚いた表情で後ずさってしまった。
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年3月7日 18時
