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「あ、おはよう！！」
あっという間に少し不安な翌日はやってきて
なんだか落ち着かなくて少し早めに会社に行くと
Aちゃんが1人オフィスで資料整理をしていた。
近づいて肩を叩くと振り返って笑顔を見せてくれて
メモに書いた文字を見せながら挨拶をすると
大きくお辞儀をしてくれた。
“なんだか落ち着かなくて、早く来ちゃいました。
あと兄がいきなりすいません。”
なんだかんだAちゃんも不安だったようで
メモを見せながら眉をハの字にして困り顔を見せた。
「可愛い！！…じゃなくて、
大丈夫だよ、お兄さんとも仲良くなれたし。」
あの後Aちゃんとお兄さんに
ちゃんと送れているかの確認でラインを送った。
そこからお兄さんとやり取りが続き
一晩で照と呼ぶようになるぐらい仲良くなった。
“よかったです。
兄はちょっと私に対して過干渉な所があるから…”
俺の書いた文章を見て安心したのか
Aちゃんは溜息をついた後微笑んだ。
朝の誰もいないオフィスは静かで落ち着くことができた。
しばらくしてせっかく二人きりだしと
思い切って気になることを聞いてみることにした。
「渡辺さんの事、怖い？」
声に出しながら書いてそれを見せると
Aちゃんは口をあんぐりと開けて首を傾げた。
“いえ、むしろ好きな方です。”
「え、それはライクの方？ラブ？」
つい突発的に口に出してしまい
驚くAちゃんに首を左右に振って誤魔化した。
まさかの回答に驚いていると
そのメモにまた何かを書きだした。
“渡辺さんはいい人です。”
「ほほう…渡辺さんのどこら辺がいい人だと思うの？」
質問をメモに書き足すと
Aちゃんは顎に手を当てて考え書き始めた。
考えている姿も可愛いなんて思っていると
書き終わったメモを俺に渡してきた。
“人一倍私を見てくれています。”
「うーん、哲学。」
第三者から見れば断然早見さんの方が
Aをよく見てくれているように見えるし
渡辺さんは耳が聞こえないことに対して
理解がないように見える。
“皆さんはどう思っているかわからないけど
私にとってはいい人です！”
でも本人がこう言っているんだから
きっと渡辺さんなりに気にかけてあげているんだろう。
「Aちゃんが言うなら
渡辺さんは絶対いい人だよ。」
メモに書いて伝えると
彼女はすごく嬉しそうに微笑んだ。
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年3月7日 18時
