君との距離感 * 西谷夕 【HQ】

13 望んだ光景 ページ14

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その後も攻防が続き、1セット先取したのは我らが町内会チームだった。



1セット終わった後に真っ先に駆けてきた西谷の嬉しそうな顔を見て、安心したのかな、



「……〜〜〜！」



張り詰めていた緊張もとけて、堪えていた涙腺が一気に緩んで、思わず泣いてしまった。



「ははっ！何泣いてんだ！」



にしっと笑った西谷に両の手で頭をわーっと撫でられた。


髪がぐちゃぐちゃとか、距離がめちゃくちゃ近かったとか、それどころじゃなくて。



何だかもう嬉しくて胸がいっぱいいっぱいだった。




西谷に続いてやってきたスガさんも、ははっと笑いながら見守ってくれていた。

スガさんも晴々とした優しい表情を見せてくれた。




そして、



「Aが泣いたの、旭のせいだかんなー」


続いて私たちの様子を見に来た旭さんに向かって、スガさんがそんなことを言うものだから、



「ええぇっ！？ 俺のせい！？」



と、あわあわオロオロと旭さんが慌てふためいていて。


そんな光景が面白くて4人で笑い合った。


前まで当たり前だったこの感じ。


懐かしくて、でもまたこうやって笑い合える日が戻ってきたこと嬉しくて。





「想い、伝わったね、ノヤ…！」


涙目で、ぼろぼろな顔で、うまく笑えていたかわからないけど、

できる精一杯の笑顔で伝えることができたと思う。



「……──だなっ！」



応えるように西谷も眩しいくらいの笑顔で返してくれたことが嬉しくて、幸せだなと思った。



「次も勝つからなっ！」

「うんっ！」



パチンっと交わしたハイタッチの、

手のしびれさえも心地よかった。



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