【d!】キルミーベイベー！【kn】 (ページ3)

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Day3 ページ3

週番三日目。授業終わりの休み時間。

先生の書いたチョークの白い文字を消すのは私たち週番の仕事だ。
自分で書いたんだから、自分で消していけよと最初は思ったりもしたが、コネシマくんと二人での共同作業と考えれば全然苦には感じない。むしろ今では感謝したい。
私は右側から、コネシマくんは左側から消していって、今丁度真ん中あたりで合流した。

ここぞとばかりに私はコネシマくんに声をかけた。

『ねぇ、コネシマくん』

案の定コネシマくんは無視。そう、コネシマくんは最初はいつも無視する。至っていつも通りだ。

『コネシマくん聞いて』

「…今度は何やねん」

ここまでがテンプレ。

『コネシマくん、私に隠してることあるでしょ』

「お前に隠してることなんざ数え切れないほどあるわ。面倒くさい彼女みたいな台詞言うなや」

『えっ私がコネシマくんの彼女？』

「随分と都合の良い耳やな」

さて、コネシマくんとの夫婦漫才もこのへんにして、そろそろ本題に入ろうと思う。

『コネシマくん、今日からテスト約一週間前で放課後の部活休みになるでしょ』

そう。サッカー部は他の部活よりも少し早めの今日から部活が休みになるのだ。こんな大事な機会を危うく逃すところだった。そして私はその情報を手に入れた時、あることを思い付いたのだ。

「どこからその情報を仕入れてきたのか知らんけど、別にお前にそのことは関係ないやろ」

『それが関係あるんだよ、コネシマくん』

『実は私数学の成績が悪くて、放課後にちょっとだけで良いから勉強を見てもらえたらなぁ、なんて』

「……はァ！？」

私は前回の定期テストの数学で見事赤点を取ってしまった。今までは赤点のギリギリセーフラインの点数を保っていたのに、なんとついに、赤点を取ってしまったのだ。
これは流石にやばいと焦り始め、先日、数学担当の先生の元へ行って、放課後に勉強を教えてくださいと頼み込んだのだが、先生は先生でテスト問題を作らなきゃいけないらしくて、そんな暇はないらしい。
終わった…と悲しみに暮れる私を哀れに思ったのか、先生はある一言を放った。

『同じクラスのコネシマくんなら成績優秀だし、今回サッカー部は早めに練習休みになるらしいから、コネシマくんに頼んでみなさいって言われたの』

「あの先生絶対自分が面倒なだけやろ…」

コネシマくんはため息をついた。

『……やっぱり流石にだめ、かな…？』

私は隣のコネシマくんを見上げた。