22話 ページ23
しばらくして、布団から顔を覗かせてみると
夏目くんは私の方をジッと。
それはもうとても優しい瞳を私に向けていた。
恥ずかしいはずなのに目が離せない。
少しの間私と夏目くんは見つめあったまま
沈黙を続けた。
その沈黙を消し去るように先に言葉を載せたのは
夏目くんだった。
夏目｢“綺麗だよ”｣
『……ﾍ？』
何を言われているか分からなくて
細く間抜けな声が出た。
綺麗？何が？私を見て言った…？
何事…？
夏目｢髪、綺麗だネ｣
いつもの笑顔で言うものだから
2度目に“髪”と指摘されても理解が追いつかなかった。
これは夏目くんが余りにいつもの調子で言うからか。
熱が出ているせいなのか。
夏目｢ﾌﾌｯ ゼリー、食べル？｣
軽く笑いをこぼした後、コンビニで
買ってきたであろうゼリーやスポーツドリンクを
私に差し出す。
『ぁ、ありがと…う』
まだ理解が追いつかない頭でゼリーを受け取り
遠慮なく頂く。
ひんやりとしたゼリーが喉を通る感覚で
熱がほんの少し冷めるような感覚がした。
それと同時に今の私の姿に違和感を覚える。
そう、家にいる分には何ら不思議ではなく普通で。
でも夏目くんがいる事でその普通は普通ではなくて。
髪。そう、髪…。私は今学校に行く時に
いつも身につけているウィッグを被ってないのだ…。
サァッと血の気が引いていくのがわかる。
私は目の色、髪の色で散々蔑まれてきた。
外ではずっと
ある程度目の隠れるウィッグを被ることによって
安心して、そして
慣れていた。
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刹那*(プロフ) - うわーおさん» 完璧だなんて、ありがとうございます！最近不更新気味ですが、今後もよろしくお願いします！ (2018年3月9日 12時) (
レス) id: 423d651c31 (このIDを非表示/違反報告)
うわーお(プロフ) - 夢主イラストめっちゃかわいいです！ストーリーも面白くて、完璧ですね！ (2018年3月8日 22時) (レス) id: adfef0e398 (このIDを非表示/違反報告)
紫之 ルカ - レオレオレーオ、夏目夏目夏ー目 (2017年11月10日 21時) (レス) id: 8ab7822bc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雑種 | 作成日時：2017年3月6日 3時
