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樹音先輩の人徳なのか、Aは遅刻を怒られることなく、1時限目が始まる前にその先生に教室まで連れていかれた。
勿論季節はずれの転校生。注目されない方がおかしいくらいで…
「おっ！転校生！？」
「やった、女じゃん」
「あぁもう男子うるさい！」
「名前は〜？」
そんな野次馬ギャラリーにAは面食らいながら、連れてきてくれた先生に助けを求める視線を送ると、それに気付いて教卓をコンコンと軽く叩いた。
「落ち着けお前ら〜」
と先生が言うとやっとその場が落ち着き始めた。
「ほれ、自己紹介」
先生に背中をつつかれ、Aはやっと口を開ける。
「あ、あの、佐藤Aです。よろしくお願いします」
そう言って小さく頭を下げると、肩まで伸びた髪が一緒に揺れる。
沸き起こる男子の冷やかす声と、「よろしくね〜」と友好的な女子の声。
「どっか空いてる席は…」
「あっ、私の後ろ空いてる！！」
いきなり手を挙げてそう叫んだのは、ベリーショートの彼女。
「じゃ、吉田、あと頼んだぞ」
「はーい！」
そう言うと授業のチャイムが鳴り、『吉田』と呼ばれた彼女は「こっちだよ〜」とAの手を引いて歩き出した。
「私がここで、Aがここ」
「えっ、」
いきなり名前を呼ばれて驚くAに彼女は「だめ？」と捨て犬のような目を向けるからAは慌てて「ううん！」と首を振る。
すると彼女はにっこり笑って「よかった〜」と言うと右手を出した。
「私、吉田マユ。よろしくね！」
屈託のない彼女の笑顔にAはつられてわらう。
「うん、よろしく」
出された手を握るとAは違和感を感じてその手を離した。
その手にあるのは…
「えへへ、プレゼント！」
いちごミルク味の飴がひとつ。
「ありがとう、吉田さん」
にっこり笑ってそう言うとマユは人差し指を揺らし「チッチッチッ」と舌を鳴らす。
「ダメダメ、マユって呼ばなきゃ」
「あ、うん、えっと、ありがとう、マユ」
「どういたしまして！A」
お互い気恥ずかしさに照れ笑いを浮かべながら席に着くと、「始めるぞー」と先生の声が教室に響く。
1時限目は世界史みたいだ。
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あいうえお - 解釈不一致なのに新しい道が開けたっていうか全て星様の文才によるものというか、ほんと面白いです、これからも応援してます！！！ジュノンくん最高！！！！！ (5月23日 21時) (
レス) @page1 id: 4e657aa584 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 天才すぎます、ありがとうございます、読み続けます、、、、 (5月23日 21時) (レス) @page1 id: 4e657aa584 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - 最近の中で一番好きな夢小説です、！ (5月22日 23時) (レス) @page35 id: 7c9597bb9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星 | 作成日時：2023年5月18日 20時
