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突然の言葉に驚いて右足を一歩下げると小さな痛みが右ひざから伝わってくる。
「歩き方、ちょっと変だったから。無理しないようにね」
ここは素直に「はい」と言うべきなのかもしれない。
でもなかなか返事出来ないでいると、彼はフッと乾いた笑いをこぼした。
「昨日はごめん。つい…ね」
女の子が泣いてたら誰にでもキスするんですか？
そんな嫌味のひとつでも言いたかったのに見上げた彼の顔は本当にすまなそうに、少し寂しそうに見えてしまったからAは「…いえ」と小さく返すだけにとどめた。
あの時、拒んだりしなかったのだから、彼を最低と罵る資格は無い。
もしソウタが来なかったら。
そんな考えに頭を振ろうとすると体育館のドアが勢いよく開け放たれた。
「あっ、えっ？部長？ちーっす」
数人の一年生が驚きつつも彼に挨拶する。
「準備始めて。今日は高橋さんがいないから基本準備と片付けは1年がやるように。」
館内に響き渡る彼の声に一年生達は「はいっ！」と返事をし、準備に取り掛かった。
いつものように準備を。
しようとしてAは気付いた。
彼とともにあるべき黄色い声援や桃色吐息が、館内のどこにも無かったことに。
彼が一人で体育館に来ていたことに。
気付いたからと言ってやるべきことが変わるわけではない。
Aはいつものようにマネージャーの仕事をひとつずつこなしていく。
高橋先輩がいない分、やることは多いが彼の指示で一年生が入れ替わり立ち代りでAのサポートをしてくれるからそれほど忙しくは無い。
後はドリンクを用意して、あっ、タオル。
Aは急いで部室から大量のタオルを持って館内へ。
そしてベンチにそれを置こうとした時。
「危ないっ！！！！」
誰の声なのかは分からない。
その声に振り返った時Aの目に映ったのはボールと共に飛び込んでくる部員の姿。
避けるなんて余裕は、ない。
Aの身体は部員とベンチに挟まれて。
「っ、あぁ、！｣
右ひざに走る激痛に床に横たわったまま身体を丸め声を上げた。
「だ、大丈夫か！？」
「す、すみませんっ、大丈夫っすか？」
そんな声すら右ひざの痛みでAの耳には届かない。
ただ痛みを堪えるように声を出さないように奥歯を噛み締める。
「どいて」
ざわめく館内でも透き通る声。
「どけって言ってんの」
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あいうえお - 解釈不一致なのに新しい道が開けたっていうか全て星様の文才によるものというか、ほんと面白いです、これからも応援してます！！！ジュノンくん最高！！！！！ (5月23日 21時) (
レス) @page1 id: 4e657aa584 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 天才すぎます、ありがとうございます、読み続けます、、、、 (5月23日 21時) (レス) @page1 id: 4e657aa584 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - 最近の中で一番好きな夢小説です、！ (5月22日 23時) (レス) @page35 id: 7c9597bb9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星 | 作成日時：2023年5月18日 20時
