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天使51 ページ23

大雨の降る中、走る

傘を捨てて靴なんてびしょびしょ

制服は雨を含み重たい



『ヒロトさん！！！！』



私は入り組んだ道を駆け抜ける

でも、追いつけない、捕まえられない



『待って、よ』

『私は、』



私を見たヒロトさんの顔、酷くやつれてた

目が虚ろで光がなくてとてつもなく暗かった

まるで小さい頃のような

愛に飢えているような



『ヒロト、さん、、、』

私はもう身なりなど気にせず歩く

雨か涙かわからないものが顔を伝う



『わた、しは、どうしたら』



ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟッ

携帯に1本の電話

【氷浦 貴利名】

そのまま携帯を眺めてしまう

応答ボタンが押せない

そしてそのまま切れてしまった



(なんで、出なかったの)

大好きな大好きな貴利名くん

その電話を無視なんて



(わかんない、わかんないよ)



ボロボロと私の中で何かが崩れる

どうして私はこんなになってるの

貴利名くんが好きで大好きで

ヒロトさんなんて関係ない

関係ない

でも、あんなヒロトさんは放っておけない





『ヒロトさんはいつも横暴で冷たくて』

『不良仲間とつるんで補導されてる』



私は確認するように言葉にする



『でも、正義感が強くて、努力家で』

『本当は優しくて守ってくれて』





『私の初恋の人』





急に雨が止む

いや、私のところだけ

後ろを見ると見たことある人





貴「大丈夫？びしょ濡れだよ？」





『貴利名くん、、、』



貴「電話にも出なくてどうしたんだろう？って
そしたら前に見たことある子がいるって」

貴「よければ家まで送ってくよ？」

こんな酷い姿をしてる私にも優しくしてくれる

なんで電話無視したんだろ

ヒロトさんよりも優しくて思いやりがある人を



私たちの横を黒いリムジンが通る

そして少し前に止まった



ヒ「、、、。」

ヒ「帰るぞ」

私の腕を引くヒロトさん



貴「まって」

もう片腕を掴む貴利名くん



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ウインナーってなんで美味しいんですかね

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