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幕が開いた瞬間、翔太たちの姿はなかった。
キラキラと美しく舞うのはその舞台の主演の、翔太たちの大先輩。
あまりジャニーズに詳しくない私にだってわかる。
始まって比較的すぐに翔太は舞台上に現れた。
凛々しい瞳で前を見据えている。
と思ったら笑顔でおどりはじめる。
出てきて数秒で、アイドルとしての翔太に引き込まれている自分に気がついた。
相変わらずその真反対側では涼太が踊っている。
私が涼太の方を見ると、涼太と目が合う。
久しぶりに会えた喜びとともに、舞台上の人と目で会話を出来ているような感覚に喜びを覚える。
そうしてぱっと翔太の方に視線を戻すと、翔太と目が合った。
翔太はピタリと動きが止まり、私のことを見つめている。
なぜかトクトクと心臓が痛いくらいに早く動くのを感じた。
私は翔太から目が離せなかった。
ぴくりとも動けなくて、なのに心臓が痛い。
その合わさる視線は、アイドルとお客さんではなく、小さな頃から共に過ごしてきた2人の視線だった。
つーっと、自分の頬を涙が伝ったことに気がつく。
その1粒に続くようにとめどなく涙がこぼれる。
自分では制御できないほどに流れる涙。
歪んだ視界の奥ではまた翔太が踊り出していた。
きっと私はずっとあなたに会いたかった。
今まで当たり前のように私の人生の中にいたくせに突然姿を消して、戻ってこなくて。
なのに相変わらずお客さんの前ではキラキラ輝いていて。
その笑顔はこの中にいる誰よりも長く見つめてきたのに。
何度も何度も愛し合ったのに。
一つの場面が終わり、会場内に拍手がこだまする。
私はそのタイミングで会場の外に出た。
一目散にトイレの中に駆け込む。
｢わぁぁぁぁぁぁぁ｣
自分でもびっくりするくらい子供のような泣き声が出た。
せっかく綺麗にしてきたメイクもぼろぼろ。
3歳の頃私の大好きなケーキを勝手に食べて、怒られて泣きべそをかく翔太。
6歳の頃道で転んだ私に、大丈夫だから、痛いの痛いの飛んでいけ〜！とおまじないを掛けてくれた翔太。
私を好きだよと言った翔太。
愛してると言った翔太。
結婚しようと言った翔太。
私の中にはたくさんの翔太がいた。
まるで閉じていた蓋が開いたように様々な感情を思い出す。
そしてまず何より思ったことは、あなたに会いたい。
私は自分を落ち着かせ、赤くなった目の腫れがおさまるのを待ち、再び入念にメイクをした。
トイレから出ると既に一幕が終わり、幕間になっていた。
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おおぽす(プロフ) - 更新楽しみに待ってます (2019年12月3日 7時) (
レス) id: ede62991bc (このIDを非表示/違反報告)
kmgapsy03(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2019年11月17日 5時) (レス) id: 70d4c7f329 (このIDを非表示/違反報告)
tvaaasn(プロフ) - とても面白かったです！！更新待ってます！！！！！！ (2019年3月15日 1時) (レス) id: 3e53db3141 (このIDを非表示/違反報告)
__st.(プロフ) - 最近、一気に読ませていただきました。ぜひまた続きを読みたいです！ (2018年8月14日 9時) (レス) id: 9b52a255d5 (このIDを非表示/違反報告)
hikari - いつも楽しみにしています。しばらくお忙しくされてるのでしょうか？またお時間あれば更新してもらえると嬉しいです！この小説が１番大好きな作品です。これからも楽しみにしています！ (2016年7月12日 20時) (レス) id: 7f4caa4992 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：M(-_^) | 作成日時：2016年3月2日 19時
