45 ページ45
話しづらい。
いや、わかってたことだけど話づらい。
翔太もなんか緊張した顔してるし。
涼太に釘でも刺されたのだろうか。
「とりあえず、おかえり。」
炭酸をコップに注いでテーブルに置いてくれる。
「ん、ただいま。」
優しい響きの翔太の声。
「話、なんだけど。」
勢いで話を切り出す。
「そ、そんなに硬くならないで聞いて？話しづらい。」
そうすると、翔太は、ははっなんだよ、空気作り空気作り、と笑う。
「なんかだらだら話すのあれだから、結論から言うと、」
私も翔太もふぅーっと息を吐く。
「知らない男の人に襲われたの。」
数秒、沈黙が走った。
翔太は私から目をそらさない。
「え、なんで。」
状況がつかめないようで、説明を求めてくる。
「詳しい話とかはいいから、それ自体の。じゃなくてそうなった経緯とか…あの…」
すごく戸惑ってる翔太を見て逆に落ち着いてくる自分がた。
その日にあったことをかいつまんで話した。
「そっか…ごめんな…何にも知らなくて…」
少し下を向きながらそう言う。
「いや、全然。話しづらいとかいって涼太に迷惑かけたのは私の問題だし。」
「そう言うこと話せない、頼りない同居人で、元彼でゴメン。」
「私の中でだいぶ整理もついたから、翔太にも話せて良かった。」
「話してくれてありがとう。」
「うん。」
「手、出して？」
テーブルに向かい合わせで座ってたから、テーブルの上に手を差し出した。
翔太は私の手を優しく握る。
「もう今はAは涼太の彼女さんだから。これだけ。」
少し寂しそうな笑顔でそういった翔太の顔、きっとずっと忘れられない。
「明日から俺の生活習慣正してくれるんでしょ？早くAに安心して涼太のところ帰ってもらわないと。涼太さみしがりやだから。」
そういって手元にあった飲み物を一気に飲む翔太は少し儚いもののように感じられた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 206人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
M(-_^)(プロフ) - るりさん» コメント嬉しいです！ありがとうございます！私も正直どうしよう…ってなってます笑雑にならないように話を集結させられるといいなと思ってます笑 (2016年1月21日 17時) (
レス) id: 797071de89 (このIDを非表示/違反報告)
るり - すごく続きが気になります！渡辺くん大好きなのでくっついて欲しいけどももどかしい笑。 (2016年1月21日 1時) (レス) id: 8f50ccf5d4 (このIDを非表示/違反報告)
まーぶる＊(プロフ) - すのの小説あまり無いのですごく嬉しいです！更新楽しみにしています！がんばってください( ´∪` ) (2016年1月4日 19時) (レス) id: dc5f2b8521 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：M(-_^) | 作成日時：2015年12月1日 2時
