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その後しばらく私は家に帰らなかった。
正確に言えば実家に帰っていた。
"別れよう"
はじめにそう言ったのは私だった。
翔太は一貫して、早く帰って来いよと言っていたが、私が別れようと言う留守電を入れてからぱったりと連絡が来なくなった。
そうすると、決意固く別れたはずなのに私が逆に連絡するようになった。
違う高校に通っていたため、会おうと思わないと姿を見るのをままならなかった。
"本当に、ごめんなさい、翔太に会いたい"
そう連絡をしても返事は来なかったし、
最寄りの駅でたまたま翔太に会って、私が声をかけようとしたら、無言で私の横を通り過ぎて行った。
そんな一方通行な日々を過ごしていたある日。
駅を出ると大雨が降っていた。
「まじか…」
空を見上げながら立ち尽くしていると、後ろから翔太が現れた。
私は翔太をじっと見つめ、"一緒に帰ろう"という言葉を待った。
しかし、翔太はバンッと傘を勢いよく広げ、歩いて行ってしまう。
その背中をじっと見つめていると、
翔太は立ち止まり、くるりと進行方向を変えて私の方に近づいてきた。
「はい。」
私が困ったように立ちすくんでいると、傘を手に握らされた。
そして、翔太はそのまま何も言わずに雨の中に出て行った。
私は突発的に翔太を追いかけた。
なんといったらいいかわからず、翔太が濡れないように傘をさしながら後ろをついて歩いた。
少し歩くと翔太がピタッと立ち止まった。
反射的に止まることができずぶつかってしまった。
はぁ、っと背中越しにため息をついたのがわかった。
翔太は振り返り私のことをまっすぐに見つめながら言った。
「もう、簡単に別れるなんて言わない?」
うんうんと、勢いよく頷くと、翔太に導かれるように2人で傘に入って久しぶりの2人の家に帰った。
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M(-_^)(プロフ) - るりさん» コメント嬉しいです!ありがとうございます!私も正直どうしよう…ってなってます笑雑にならないように話を集結させられるといいなと思ってます笑 (2016年1月21日 17時) (レス) id: 797071de89 (このIDを非表示/違反報告)
るり - すごく続きが気になります!渡辺くん大好きなのでくっついて欲しいけどももどかしい笑。 (2016年1月21日 1時) (レス) id: 8f50ccf5d4 (このIDを非表示/違反報告)
まーぶる*(プロフ) - すのの小説あまり無いのですごく嬉しいです!更新楽しみにしています!がんばってください( ´∪` ) (2016年1月4日 19時) (レス) id: dc5f2b8521 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:M(-_^) | 作成日時:2015年12月1日 2時