天下無敵の敗北 (ページ22)

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二十二話ページ22

「神楽坂って運動できるんだな。箱入り息子だって思ってた」

「僕からしてみたらキミの方が不思議だ。秋田に行きたい学校があると言ってたじゃないか」

えっ、と思った。

「二人、同じ学校だったの？」

昔から知り合いみたいな会話だ。一向に話をしようとしなかったから、初対面かと思ってたんだけど。

「一年の時にクラスが同じになったくらいです。親しい仲じゃないですよ」

何でも質問に答えてくれるんだなぁ。と、少し驚きつつ、へぇ、と言って納得した。でも少し分からないところも。親しくないのに、行きたい学校とか知ってたんだ。もしかしたら、親しくないの理念自体、僕たちとは違うのかも。
体を拗らせて、二人の少し奇妙な会話は続いていく。

「あそこサッカー部ないからやめた。神楽坂もなんでここに？東都大学行くんじゃなかったのか？」

「名門から行っても面白くないだろう？どうせなら予想外なことを起こした方が面白い」

そこで初めて楽しそうな(悪魔のような)神楽坂くんの笑った顔を見た。
目指している目標がもはや全然違う。乾いた笑いしか出てこない。

「何で部活入った？」

「内申のために決まってるだろう」

何だかだんだん悲しくなってきたので、そこで二人の会話とストレッチを終わらせた。