二十一話 ページ21
グラウンドでストレッチをしていると、体操服に着替えた神楽坂くんと栗山くんがやって来た。愛想よく笑う栗山くんに対して、神楽坂くんは相変わらずつまらなさそうにしている。
「じゃあ二人とも僕たちと同じようにストレッチしてくれる?」
「分かりました」
「……」
もう返事も頷くだけになってしまった。
地面に座り、ストレッチを始める二人を見たあと、僕もストレッチを再開した。
ストレッチをしてすぐ、僕たちは驚く光景を目にした。
「柔らかっ!神楽坂柔らかっ!」
真顔でしれっと180度開脚してみせた神楽坂くん。隣でストレッチしていた栗山くんは、驚きを通り越して笑いがでできたらしい。肩を震わせて顔を神楽坂くんに見せないように反対を向いて、声を押し殺して我慢していた。
「和菓子の神楽坂柔らかすぎるだろ……」
「や、山本先輩もアレくらいできるんじゃ?」
「んなわけねぇだろ!ちょ、バッ、押すな鈴木!コラテメェ!」
やり合う二人を横目に、まだストレッチを続ける神楽坂くんを見ていた。目を離すタイミングを完全に見失ったのが主な原因。あまりにも意外すぎたから、ついついずっと見てしまった。
そんな僕らの気持ちを察したのか、栗山くんが助け舟を出してくれた。
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作者名:しげの2号 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年11月28日 22時